豪州・NZで開催されているサッカー女子ワールドカップで、久しぶりに日本代表「なでしこジャパン」の快進撃が続いている。
グループリーグは3戦全勝で総得点11、失点ゼロ。得失点差+11は全チームトップで、特に3戦目は格上のスペイン(世界ランキング6位、日本は同11位)にボールを78%も支配されながらも4ー0で撃破。決勝トーナメント初戦でも高さとパワーのあるノルウェー(同12位)を相手にゲームをほぼ支配して3ー1で勝利。相手は「これまで見た中で最も強いチームだった」(FWキャロライン・グラハム・ハンセン)と脱帽した。相手ディフェンスラインの裏へ飛び出すスピードが抜群に速いMF宮澤ひなた(仙台マイナビレディース)は4試合で5得点と、今のところ大会得点女王だ。
今大会の「なでしこ」はどの国にも負ける気がしない。前の高倉麻子監督時代は見ていてフラストレーションが高まることが多かった(女監督だからダメと言っているわけではない。念のため)が、実際、今大会のなでしこは見ていて楽しく、ワクワクする。欧米リーグ所属の選手が増え、全体的に個々の技術レベルや当たり負けしない体幹の強さも向上したように感じる。パスやシュートも精度が高く、これまで多かったお粗末なシュートミスもほとんど見られなくなった。
戦術的な幅も広がった。バルサ(スペインの名門FCバルセロナ)のようなティキタカ(ワンタッチでのテンポの速いボール回し)もできるし、中盤からの縦パス一発で相手ディフェンダーの裏を取る速攻もできる。MF藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)や長谷川唯(英マンチェスター・シティWFC)らの縦パスのタイミングや精度、宮澤らの飛び出しスピードも素晴らしい。遠藤純(米エンジェル・シティーFC)や清水梨紗(英ウェストハム・ユナイテッドFC)らスピード豊かなウイングバックはサイドも抉れる。相手のポジショニングの穴を見つけては多彩な攻撃パターンを見事に使い分けている。
守備も全員がハードワークし、二人がかりでボールを奪う。12年前のW杯優勝メンバーでもあり、仏リヨンや独バイエルン・ミュンヘンなどの欧州トップクラスのチームの主力として長年活躍しているキャプテンのCB熊谷紗希が3バックのDF陣を統率。GK山下杏也加(INAC神戸)もノルウェー戦では初失点を喫したものの、好セーブを連発している。しかも、試合ごとに先発メンバーを大幅に入れ替えているが、戦力は落ちない。
もはや「ダークホース」というより優勝候補の本命に躍り出た感がある。「どのチームも日本代表を止められないのではないか」と世界からも称賛が集まっている。ノルウェー戦を中継した米「FOXスポーツ」で解説を務める元米国代表アレクシー・ララス氏は「彼女たちの全ては称賛に値する。特に大会を通じての対応力においてだ。選手を入れ替えても、異なるプレースタイルの相手と対戦しても、イケダ監督の采配は完璧に上手くいっている」と称賛した。あえて弱点を探せば、高さが足りないことぐらいだろうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3fab4fb24e45e13304017212a739342e30f9efb1 次戦の準々決勝は、今大会不調だった世界ランキング1位の米国をPK戦の末に倒した強豪スウェーデン(同3位)が相手。今週11日(金)日本時間16時30分キックオフ。今のなでしこならどのチームとも互角以上の戦いができるはず。英ブックメーカー大手の予想オッズも日本勝利の予想が多いとか。3大会ぶりのW杯制覇に期待したい。
https://www.goal.com/jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/nadeshiko-japan-analysis-tanaka-fujino-miyazawa-20230806/blt8f0da4a81a28f22f
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今年の夏の全国高校野球選手権大会(甲子園大会)は、初戦から秋田(明桜)と青森(八戸学院光星)、愛媛(川之江)と高知(高知中央)、島根(立正大淞南)と広島(広陵)、岐阜(大垣日大)と滋賀(近江)、千葉(専大松戸)と山梨(東海大甲府)など、初戦から隣県対決や同一地区対戦が目立った。かつては出場校を東日本と西日本のグループに分け、初戦は必ず東西対戦になるように調整していたはずだ(東西の境界となる北信越だけは隣県対決もあり得た)。なぜこのルールをやめてしまったのだろう?
東西対決方式は1978年からスタートしたが、北信越の一部の県高野連から「公平にしてほしい」と変更の要望が出され、2007年からフリー抽選に変更されたのだという。2校が代表となっている北海道と東京だけは初戦で対戦しないように今でも振り分けられているそうだ。
これ、どうなんだろうね。北信越の要望は分からなくもないが、だからと言って全てフリーにすれば今年のような初戦からの隣県対決や同一地区対決が頻発する可能性があることは誰が考えても分かることだ。例えば、東西対決ルールのままで、もし北信越の隣県対決になってしまったら、後からヤグラに入ったチームが抽選をやり直すなど、もっとマシなやり方があるはずだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d06d4cc9aa650ec309e043cff997f107061384e4
MLBが今季からピッチクロックを導入。LAエンジェルスの開幕投手を務めた大谷翔平が早速投打両方で違反を取られるなど、混乱の開幕となった。しかし開幕15試合の平均試合時間は2時間45分と昨季より26分短縮され、はっきり効果が表れた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b0752454b4b45d609505420abfa30ef5ebcc32c4 ルールを大きく変えれば、当然反発は起こる。実際、選手会の反対は強く、このアイデアは長年実現されずにきたが、MLBコミッショナーがやや独断的に昨季のマイナーリーグで試行。時短効果が確認され、今季からのメジャーへの本格導入に繋がった。MLBにとって試合時短は宿年の経営課題で、これまでも申告敬遠の導入など反対が多かったルール変更を断行してきた。しかし明確な時短効果が表れず、「最後の切り札」的アイデアだったピッチクロック導入に踏み切ったのだ。
今回のWBC決勝の大谷とトラウトの対戦で仮にピッチクロックが導入されていれば、大谷の投球間隔は全球違反だったそうだ。「あの場面のように、緊迫した場面で間合いを取りながら1球1球駆け引きをするような名場面がなくなってしまう」「野球が淡白になる」といった選手やファンの反対は当然ある。間合いの取り方は投手、打者とも人それぞれで、個性があり、元々早い人も遅い人もいる。
また、バッテリー間のサインのやりとり時間を短縮するため、バッテリーが小さな通信機の電波で球種を伝え合う「ピッチコム」も併せて導入されたが、これによって球種サインは捕手主導から投手主導に変わるとの見方もある。「野球文化そのものが変わってしまうのではないか」と懸念する関係者も少なくない。
それでもトップは反発を厭わず、リーダーシップを発揮してリスクを取って変革を試みる。それこそがマネジメントであり、リーダーの責任であるという強烈な自負と責任感があるのだろう。このリーダーシップこそが日本に欠けている米国の強みだと感じる。やってみて本当に不都合の方が大きければ、その時にまた考えればよい、という柔軟な発想だ。変わらないことより変えて失敗する方を選ぶ。失敗はさらなる変革への貴重な教訓にもなるからだ。失敗したベンチャー経営者は「失敗」の経験者として尊重され、資本家から次のチャンスが与えられることも多い。敗者復活が可能な社会だ。
日本では政治も企業経営も同じだが、反発やマイナス面が少しでもあるとリスクを取らないトップが多く、長く続いてきたやり方や前例踏襲という安易な選択をしがちだ。会議ばかりに時間を取り、コンセンサスを重視し、決断が遅い。高齢トップやサラリーマン経営者が多いことも一因だろう。目先の小さな失敗を恐れて変革を嫌う「守り」のマネジメントが横行する。活発な競争が起こらず、中小企業はいつまでも中小企業のままで、大企業は100年以上も大企業のまま変わらず、地盤沈下と国力の衰退がズルズルと続く。
日本に最も欠けているのは、真のエリートによるリーダーシップだと感じる。

久しぶりにいいものを見せてもらい、元気をもらった。
ドイツ・ビリンゲンで昨日行われたノルディックスキーワールドカップ(W杯)ジャンプ女子個人第17戦で、伊藤有希(28)、丸山希(24)、高梨沙羅(26)の3人娘が見事1、2、3フィニッシュで表彰台独占という歴史的快挙をやってのけた。国際大会での日本女子の表彰台独占は初めて。男子を含めても長野五輪翌年の1999年、ラムソー(オーストリア)で開かれた世界選手権で舟木、宮平、原田が表彰台を独占して以来24年ぶりだ。伊藤のW杯優勝は6季ぶり6勝目。丸山はW杯参戦4季目で初の表彰台。高梨は 2戦連続3位表彰台で、男女W杯通算表彰台最多記録を115回に伸ばした。勢藤優花も10位に食い込み、日本勢4選手がそろってトップ10入り。
コーチ陣やスタッフ、スポンサーの方々も含め、日本女子スキージャンプチームのみなさん、本当におめでとう!

この日はジャンプ台が大きなラージヒルで、激しく雪が降り視界が悪いコンディションの中で安定した向かい風が吹くという、日本勢が得意な好条件が整った(日本勢は小柄で体重が軽く、空中の技術が高いため)。前日の同じジャンプ台での第16戦でも予選で高梨2位、伊藤3位、丸山6位、決勝で高梨3位、伊藤4位、丸山5位と、予兆はあった。とはいえ、まさか本当に表彰台を独占するとは。


伊藤は日本女子チーム最年長。高梨と優勝を競っていた時期もあったが、W杯2016ー17シーズンに5勝を挙げ、高梨に次ぐシーズン総合2位となって以来、優勝から遠ざかり、長いスランプに苦しんでいた。


チーム最年少の丸山は伊藤、高梨に続く次世代のエースと期待されながら、2年前の北海道・大倉山での全日本選手権ラージヒルで転倒。左膝前十字じん帯断裂などの大けがを負い、昨季の北京五輪代表入りを逃した。今季は辛いリハビリ生活を経ての復帰だった。

高梨はW杯シーズン総合優勝は女子最多の4回(男女を通じても最多タイ)、優勝回数は男女通じて歴代最多の63勝の言わずと知れた「世界のレジェンド」だが、今季はまだ優勝がなく、ビリンゲンに来るまで波に乗れていなかった。

なお、前日4日にカナダで行われていたスキージャンプジュニア世界選手権団体戦でも日本代表女子は、高梨、伊藤らを擁して優勝して以来9年ぶり3度目の優勝を果たした。伊藤は優勝インタビューでこのことを紹介し、「今朝起きてそのニュースを知ってすごく嬉しかった」と話し、「難しいコンディションでしたが、オーガナイズ(大会運営)の皆さんが一生懸命整備してくださって、(ラストジャンパーとして)大歓声の中で飛ぶことができて、幸せでした」と振り返った。
2本目トップの136.5㍍を飛んで4位から2位に順位を上げた丸山は、伊藤と同様に目に涙を浮かべながら「W杯を回らせてもらって4年目で、また(怪我から)帰ってきたシーズンに沙羅さん、有希さんという憧れの先輩と一緒に表彰台に立てるなんて、嬉しい気持ちと支えくださった皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。
1本目にこの日の最長不倒である137.5㍍を飛んで伊藤に次ぐ2位につけた高梨は「2本目は少し攻め過ぎました」と反省しながら「昨日、一昨日から誰が表彰台に上がってもおかしくないほど日本チームの状態は上がってきていたので、もしかしたらとは思ってましたが、まさか本当に表彰台を独占できるなんて。本当に嬉しいです」と、自分が優勝した時以上に笑顔を弾ませた。
少し時間が経ってしまったが、FIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ (W杯)カタール大会の私的総括。
今大会出場32カ国の地域別内訳は、欧州13、アジア中東6(うち開催国枠1)、アフリカ5、南米と北中米カリブ海が各4。欧州が約4割を占めている。やはり欧州には強豪国が多く、サッカーの中心は依然として欧州である点を考えると、この出場枠のバランスは妥当だろう。
16強には欧州がちょうど半分の8カ国で、他はアジア中東からは日韓、豪州の3、南米からはブラジルとアルゼンチンの2、アフリカからもモロッコとセネガルの2、北中米が米国の1。
8強にはアジア3カ国は全て消え(日本のみグループリーグ<GL>1位通過。ゲーム内容もPK戦までもつれ込む惜敗)、欧州5、南米2、アフリカ1。4強は欧州2、南米とアフリカが各1。モロッコはアフリカ勢初のベスト4。
こうしてみると、まだまだ欧州が相対的には優勢だが、他の地域も確実に力をつけていることがよく分かる。ゲーム内容も大差の試合は減り、1点差以内の僅差の試合が増えている。GLでは全48試合のうち30試合が1点差以内だった。決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)では8試合のうち3試合が、準々決勝4試合は全てが1点差以内の好ゲームだった。
これはサッカー国際化の影響により、かつては欧州と中南米の実力が圧倒していた時代が終焉を迎え、アフリカやアジア・中東、北米が追いついてきた結果だろう。今回の日本代表も26人中4人を除く22人が欧州の一流リーグで活躍中、もしくは経験者ばかり。メンタル面でも臆することがなくなった。北中南米やアフリカ、中東の選手たちも同様に、普段は欧州トップリーグで活躍している選手が多い。
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「ウィンブルドン現象」は問題ではない かつて英国のテニス界は世界最高峰のウィンブルドン大会で英国選手の影が薄くなり、外国勢に大会を乗っ取られる「ウィンブルドン現象」と揶揄された。しかし、スポーツビジネスとして考えるなら、大事なのは自国選手の育成というナショナリズムよりも、国際マーケットを握り続けることだろう。その意味で欧州サッカーの国際化戦略は大成功している。日本サッカー連盟(JFA)も中韓や豪州などと連携し、アジアのサッカーリーグをさらに国際化し、欧州中心のサッカービジネスの牙城を突き崩す努力がもっと必要ではないかと感じる。
#FIFA #JFA #AFA #FIFAワールドカップ2022
https://search.yahoo.co.jp/search?ai=add160a7-fa95-4346-8f84-21cdcada4582&aq=1&ei=UTF-8&fr=yjapp3_ios_wv-sbp&iau=1&p=fifaワールドカップ%202022%20トーナメント表
https://www.goal.com/jp/リスト/fifa-world-cup-qatar-2022-information/1osqtqax5ci4s1rduk9zc5a86