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ホモ・サピエンスの「グレートジャーニー」の原因は冒険遺伝子?

Posted by fukutyonzoku on 30.2024 科学 0 comments 0 trackback
NHK「ヒューマニエンス 40億年のたくらみ “グレートジャーニー” ヒトらしさの進化の足跡」でホモ・サピエンスは人類特有の「冒険遺伝子」に導かれてアフリカを出て、世界中に広がったとの日本人研究者の説を紹介していた。冒険遺伝子とは、要は人類が持つ旺盛な冒険心や知的好奇心を司るDNAとのことであるようだが、この仮説はどうなんだろう?
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2024137264SA000/

 確かに人類ほど知的好奇心が旺盛な種はいないだろうが、それは人類だけが農耕を始め、富を蓄積して文化を育む余裕ができてから後の話ではないかと思う。狩りをしていた頃の旧石器人が、果たして冒険心や好奇心などといった有閑階級の贅沢な遊び心のような性質によって、生命リスクの大きな危険な旅を続けるだろうか?との疑問は拭えない。
 ホモ・サピエンスがエジプトを出たのは7~6万年前の旧石器時代とされ、その後世界に拡散していったことを「グレートジャーニー」と呼んでいる。この時代の人類は主に狩猟で食糧を得ていたとされており、野生動物や魚貝類を追って世界に広がっていったと考えるのが合理的な推測ではないか。人類が世界に拡散していったと言っても、それは数万年もの時間をかけてのことであり、年平均ならせいぜい数km~数十km程度の距離に過ぎないからだ。それに「グレートジャーニー」を行ったのは人類だけではなく、マンモスなど他の野生動物も同じであるはずだ。それをホモ・サピエンスだけの「偉大な旅」と解釈することは、そもそも無理があろう。
 一部はマンモスやその他の野生動物を追って北ユーラシアに広がり、一部は海岸線沿いで主に漁労を続けながら南アジアを経て東南アジアから東アジアへ拡散。マンモスを追って中央アジアから東アジアやシベリアへ達したグループは、さらにアラスカから南下し、アメリカ大陸に達したとされている。
 日本列島へは約4万年前までには達していたとされている。この時期は地球の最終氷期とほぼ重なり、日本列島は大陸とほぼ陸続きだったのだ。最寒期でも対馬海峡と津軽海峡は繋がっていなかったとの説が最近では有力なようだが、それでもシベリアから北海道は陸続きであり、対馬や津軽の海峡も今よりかなり狭かったため、原始的な船でも渡れたとの説が有力だ。
 旧石器人は食糧となる野生動物を追って簡易なキャンプを張りながら移動生活を行っていたと考えられるため、こうした移動が少しづつ進んだのは自然な出来事であろう。人類がいくら知的好奇心が旺盛でも、集団で移住するには食糧獲得の見通しがないとそれほど簡単にはできなかったはずだ。でなければ、気候変動や人口増などの環境変化により、フロンティア開拓に賭けるしかない切羽詰まった事情が起こったのかもしれない。そのいずれかであろう。
 なお、日本の縄文時代には地球は温暖期となり、大陸とは再び海で隔てられて孤島となったため、縄文人のDNAは約1万年の時間をかけてガラパゴス的な進化を遂げて他の東アジア諸国とはかなり距離のあるものとなったらしい。その縄文人のDNAは、弥生時代には大陸系である弥生人との混血が進んだものの、今の日本人にも色濃く残っているという。
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人類が好む「12」という数字の謎

Posted by fukutyonzoku on 15.2023 科学 0 comments 0 trackback
 先述したフィボナッチ数列や黄金比率、チューリングの数式以外にも、「12」という数字の謎も興味深い。

◾️年月や時間、星座、干支、計量単位、音律にも…

 年月や時間は今でも12進法だし、星座や干支(十二支)もそうです。1971年まで英国通貨の1シリングは12ペンスだったし、現代でも1フィートは12インチ、貴金属や宝石の計量に使用される1トロイポンドは12トロイオンス。ダースやグロスも12進法ですね。
 数詞でも英語で11はeleven、12のことはtwelveだが、13以上になるとthirteenというように表現が変わりますよね。つまり12までで一区切りとなっており、これはドイツ語やオランダ語、スウェーデン語などのゲルマン語派の数詞も同様です。
 音律も12進法です。ピアノなら1オクターブで白鍵が7、半音の黒鍵が5の計12音階です。1オクターブ上がれば周波数がちょうど2倍になるそうです。1オクターブを12等分したのが12音階で、これは「平均律」と呼ばれています。現代の殆どの楽器はこの原理に基づいて数学的に弦などの長さや太さが調整されているんですね。
https://web.quizknock.com/octave

◾️神話や伝統、陪審員の数まで

 さらには、少し話が逸れますが、ギリシア神話はオリンポスの12神だし、イエス・キリストの弟子も12使徒で、ユダヤ人は12氏族から成るとされていますね。恐らくそれらが起源となって英米の裁判陪審員は今でも12人です。仏教にも「十二縁起(因縁) 」や「十二神将」があり、宮中には「十二単衣」もありますよね。飛鳥時代の推古天皇の時代には「冠位十二階」もあったし、戦国最強と言われた「武田二十四将」は12の倍数です。

◾️起源は月が地球を1年に12回転することか

 なぜ12という数字をこれほど人類は多用するようになったのか? 恐らくその起源は、月が地球を1年間にほぼ12回転することから来ているから、という説が説得力があるように思えます。地球から見ると月の満ち欠けは1年間に12回繰り返される。古代から人類は天体を観測するなかでこのことに気付き、主に農業のための暦に使ったため、今でも暦や時計は12進法のままだし、それが計量単位にもなった。
 角度も円の1周が360度で、時計と同じ12進法(12×30)となっている。これは古来、地球が太陽の周りを一周する1年を360日と定義したことからきているといい、地球が1日で太陽の周りを回転する角度が1度となる。
 人類は12進法を使ううちにそれが生活リズムとなり、12は特別な数字となっていったのでしょう。

◾️割りやすく、数えやすい便利な数字

 もう一つ、12は平等に分けやすい平和的な数字でもあるとの解釈も。2~4人までなら平等に分割できる数字だから古来親しまれてきた、とも言われます。ちなみに360度や360日(より正確には365日)として使われた360という数字も、1 から 10 までの数のうち割り切れない数は 7 だけという使いやすい数字でもある。
 さらには、指を用いて数字を数える際に、片手の人差し指から小指の節がそれぞれ3節あり、3節×4本=12であることが数えやすかったから、との説もあるようです。
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=56797?site=nli

宇宙は全て「神の数式」で出来ている?

Posted by fukutyonzoku on 15.2023 科学 0 comments 0 trackback

 NHK-BSプレミアム「ヒューマニエンス」で昨年11月に放送された「“数字” 世界の秘密を解くチカラ」を再放送でみたが、面白かった。

◾️フィボナッチ数列が自然界に多く存在するのはなぜか?

 番組でも紹介されていた「フィボナッチ数列」のことは、世界的ベストセラー小説で映画化もされた『ダ・ヴィンチ・コード』の中でも「神の数列」として紹介されていたのを覚えている。イタリアの数学者、レオナルド・フィボナッチが1202年に『算盤の書』(Liber Abaci) にその概念を書いたことでそう呼ばれているが、実はフィボナッチよりさらに500年ほども前にインドの学者、ヘーマチャンドラ (Hemachandra) が韻律の研究から発見し、書物に記していたことが後にわかっている。
 0を発見(発明?)したのもインド人だし、現在世界で広く使われているアラビア数字も元々はインド数字である。インド人の数学的センスは古来から優れていたのは間違いない。

 フィボナッチ数列は1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144……と、隣り合った数同士を足していく数列だが、なぜかこの数が草花の花びらの数のほか、ひまわりの種や松ぼっくりの鱗の列数、ウサギの繁殖の増え方、樹木の枝分かれの数など、なぜか自然界に数多く存在していることが知られていた。しかも、この数列の隣り合った数字同士の比率はやはり自然界に多く存在し、人間が最も美しいと感じると言われる1.618033…の「黄金比率」に近付いていく。



 フィボナッチ数列は樹木や草木のみならず、人体の気管支や血管の枝分かれの仕方にも当てはまり、またフィボナッチ数列から導かれる「黄金螺旋」は植物の葉のつき方や人間のDNAの二重螺旋構造、台風の渦巻き、銀河の渦巻き……など、自然界のあらゆるものに見られるという。「神の数列」と言われる所以だ。自然界だけでなく「ミロのヴィーナス」や「モナ・リザ」、パルテノン神殿、サクラダ・ファミリア、エジプトのピラミッド、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」に至るまで、古今東西の傑作美術の構図や建築の設計にもよく当てはまるという。
https://forest-clinic.jp/knowledge/etc/post-605.html










◾️細胞がフィボナッチ数列の計算をしていた!

 このフィボナッチ数列や黄金比率のことは古くから知られていたが、2021年にはガーベラの細胞分子レベルの成長プロセスを解析した研究論文が発表されたことも「ヒューマニエンス」で紹介されていた。ガーベラの花びらの数は右巻き34枚、左巻き55枚とやはりフィボナッチ数列と一致しているが、花びらがリング状の原基に出来ていく順番や位置取りが、完全に黄金螺旋と一致していたという。ゲスト出演していた大阪大大学院の生物学者、近藤滋教授は「細胞が本当にフィボナッチ数列の計算をしていたんです」と解説。その結果、多くの花びらが最も効率的に太陽光を浴びることができる位置に配されることになるという。フィボナッチ数列が生物の設計図であるDNAに組み込まれているという、まさに「神の数列」であることを分子レベルで実証したことになるらしい。



◾️チューリングの数式も人間や動物の身体構造原理に

 自然界にはフィボナッチ数列以外にも多くの数式が潜んでいるという。シマウマの縞模様やチーターの斑点模様もその一つで、その模様のできる法則を世界で最初に数式で示したのが英国のアラン・チューリング(1912ー54年)。チューリングはコンピューターの誕生に重要な役割を果たしたほか、ナチスドイツのエニグマ暗号を解読したことでも有名な天才数学者。2019年から英50ポンド紙幣の肖像にもなっている。





 チューリングの論文発表から40年近く経ってから、熱帯魚の縞模様の観察でその数式の正しさを科学誌『ネイチャー』の発表論文で実証したのが、前述の近藤教授だ。シマウマの縞模様もチーターの斑点もまだら模様の生き物も、ほぼ全ての動物の模様ができる原理は全く同じ規則的な波形の原理であり、チューリングの数式で説明できるという。







 この数式は、人間を含む動物の指や指紋のでき方、血管の間隔、肺組織の広がり方などにも関係しているとの研究報告もあるという。



 もちろん、生物はこの原理だけで全てが説明できるわけではないものの、例えば他にも背骨、肋骨、関節など等間隔にできる身体構造は、全て「チューリング・パターン」の原理でできているのだという。
 「チューリングおたく」を自称する近藤教授によると、DNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の四つの塩基配列によって決定されているが、AとT、Gと Cはそれぞれペアになっているので、基本的にはコンピューターと同じ2進法になっている。
 とすれば、人間を含む自然や宇宙は、そもそもアナログではなく実はデジタルで出来ているということになるのかもしれない。

「神=宇宙人」説に挑む科学者

Posted by fukutyonzoku on 16.2015 科学 1 comments 0 trackback

3月にNHKで放送された「モーガン・フリーマン 時空を超えて 第1回宇宙人との遭遇 その時人類は」の録画をみたが、実に面白かった。

著名な物理学者、宇宙生物学者のポール・デイヴィスは、人類は自然に進化したのではなく、宇宙人(地球外知的生命体)が地球上の初期の哺乳類のDNAを操作した結果、誕生したのではないかと考えているという。だとすれば、人間のDNAの遺伝情報の中に操作の痕跡があるはずだと推測、DNA解析によりその「宇宙人からのメッセージ」を探し続けている。遺伝暗号の4つの要素の配列に何らかの規則性はないかといったことを日夜、解析しているのだという。

実はこれ、私が若い頃から胸に秘めていた仮説と同じだ。つまり、この仮説が本当だとすると、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に共通する宇宙創生の「神」とは、実は宇宙人だということになるのではないか。
地球外知的生命体が宇宙まで造ったのかどうかはさておき、少なくとも遺伝子操作によって猿から人類を造ることは技術的にあり得えない話ではないように思う。人類でさえ、動物のクローンを造ったり、遺伝子操作で特定の病気因子を取り除いたりするところまでは既に来ているのだから。

昔から抱いていた素朴な疑問は、人類と猿とのDNAは98%以上同じだというのに、実際にはなぜこんなにも違うのかということだ。人類だけが二足歩行で手を器用に使い、高度な文明を築き、地球の自然や他の動物をコントロールしている点で、自然界の生態系や食物連鎖から抜け出していない猿とは全くレベルが違う。
なぜ、人類だけが特異な進化を遂げることができたのかという素朴な疑問は、単純なダーウィンの進化論だけで納得しろという方がそもそも無理がある。そう考える人は私だけではないはずだ。実際、米国などでは、主に宗教的な理由からではあるが、ダーウィンの進化論を信じていない人が非常に多いのだ。