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「中国資本が日本の不動産を次々と買収」って何が問題?

Posted by fukutyonzoku on 24.2023 ビジネス 0 comments 0 trackback
 円安の影響で日本の観光地の旅館やホテル、銀座の商業ビルなどが中国資本に次々と買収されているとか。

戻ってきた観光客で潤うのは中国人に買われたホテルや商業ビル…2032年には4割の温泉旅館が外国資本になるとの予測も=今市太郎


 で、それ何が問題?
 我が国の安全保障に関わること?
 外国資本が日本に直接投資をしてくれて、潰れそうな旅館や買い手のつかない商業ビルを高値で買ってくれて雇用を支えてくれるのなら、いいことづくめではないか。もし中国人のニーズをよく理解し、インバウンドをさらに増やしてくれるなら、地域経済にもプラスになるでしょ。
 中国人観光客はマナー云々といった声も聞こえてきそうだけど、もし習慣の違いによるトラブルが起これば、国や自治体が法律や条例で細かいルール規制をかければいいだけのこと。別に国会や地方議会が中国に乗っ取られたわけではないのだから。日本の不動産を中国に持っていけるわけでもないし。
 かつて平成バブル期にはジャパンマネーがNYマンハッタンの不動産を買い占め、ロックフェラー・センターやエンパイヤ・ステート・ビルまで日本資本に買われ、米国にはジャパン・バッシングの嵐が吹き荒れました。しかし、マンハッタンは日本のものになりましたか? 同じことでしょう。欧米の大都市の商業ビルやリゾート地の不動産だって外国資本だらけですよ。
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オニツカの販売代理店からスタート、倒産危機を日商岩井に救われたナイキ

Posted by fukutyonzoku on 18.2023 ビジネス 0 comments 0 trackback
 先日ご紹介したスティーブ・ジョブズだけでなく、日本と縁の深い米国企業は少なくない。今や世界一のスポーツブランドになった「ナイキ」もその一つ。

◾️「オニツカタイガー」の大ファンだったナイト

 共同創業者のフィル・ナイトが、あまり知られていなかった創業初期のエピソードを中心に書いた自叙伝『SHOE DOG』は2017年に日本語訳も出版され、20万分超のベストセラーになったことは記憶に新しい。この著書でも詳しく紹介されているが、元々この人は地元オレゴン大学の陸上中距離選手で、当時一世を風靡したオニツカ(現アシックス)の革新的ランニングシューズ「オニツカタイガー」の大ファンだった。
 ナイトはオレゴン大卒業後にスタンフォード大のビジネススクールに進み、日本の技術力の高さや(当時の)製造コストの低さを研究。修士論文「日本のスポーツシューズはカメラ分野と同じくドイツ勢に迫り、勝てるのか?」でMBAを取得。その論文テーマを実践しようと日本を旅行し、神戸のオニツカ本社に飛び込む。まだ創業もしていなかった「ブルーリボンスポーツ社」をその場の思いつきででっち上げ、鬼束喜八郎社長に米国でオニツカ製品を販売する代理店となる契約を直談判する。米国から突然やってきたどこの馬の骨かわからない青年ナイトの「オニツカ愛」やスポーツシューズビジネスへの情熱や知見に動かされたのか、喜八郎は青年ナイトにオニツカ製品の米西部13州での販売を託す。これがその後の「ナイキ」の始まりだ。

◾️二度の倒産危機を日商岩井に救われる

 その後、同社は独自のシューズも開発販売するようになるが、経営はまさに自転車創業だった。倒産の危機も2度経験したが、当時の日商岩井(現双日)が2度とも救った。倒産寸前に追い込まれた際、当時の日商岩井支店長が本社から許可されていたポートランド支店の融資枠を超える融資を独断で実行したことさえあった。日本の商社は米国においてはまだまだアウトサイダーであり、しかも日商岩井は日本の大手商社の中でも6位という中途半端な立ち位置だった。これがリスクを取るアグレッシブなベンチャー支援の背景にあったことは容易に想像できる。
 ポートランドのナイキ本社には、日商岩井への感謝を忘れないようにと、ナイトが「日商岩井ガーデン」と名付けて造園した広大な日本庭園が広がっている。将来性を信じて同社を救った当時の融資担当者や支店長、社長だった速水優(後の日銀総裁)の名前も刻まれている。ジョブズと同様、ナイトも日本の禅などの影響を強く受けている。

◾️「日本人は挑戦できる人たちだ」

 ナイトは「日本人は挑戦できる人たちだ」と日本経済の復活を今も信じている。「日本のビジネスパーソンがアグレッシブではない、起業家精神がない、リスクを取らない、という見方は真実ではないと思います。ソニーの盛田昭夫さんのことを誰もアグレッシブではないとか起業家精神がないとは言わないでしょう。素晴らしいビジネスパーソンは実際にいるし、日本の未来は十分に明るい」とナイトは語る。

https://toyokeizai.net/articles/-/233100?display=b&fbclid=IwAR3lc0FdvrLWtAeohHKBfdFzZL3VgMbSIJRQFHkA84CInZw5IHf7mo74lcQ_aem_th_ATuyM74Nh3LU_Y0cqnXWztks7GpesJg-zZHhYrdF32u0p6dg1MeW95Luv9MhS7TuC_0

 「投資の神様」ウォーレン・バフェットも5大商社株など日本株を買い増しているとされる。さて、かつてのソニーやホンダのように日本経済復活を牽引するベンチャー企業が今の日本で本当に育つのだろうか?

ソニーや日本文化に憧れ、日本に学んだスティーブ・ジョブズ

Posted by fukutyonzoku on 18.2023 ビジネス 0 comments 0 trackback
NHK - BS1「日本に憧れ 日本に学ぶ~スティーブ・ジョブズ ものづくりの原点~」を視聴した。実はこの番組、古い友人でもあるNHK記者が企画取材したのだが、友人だからというわけではなく、期待以上に中身が濃く素晴らしかった。
 初めて知るエピソードも多かった。何よりジョブズ(以下、敬称略)がペプシコから引き抜いたアップル元CEOのジョン・スカリーや、幼馴染みでアップル最初の社員でもあるビル・フェルナンデス、当時のアップル幹部やジョブズと交流があった日本の美術商や陶芸家らにも幅広くインタビューしていた。

◾️14歳で巴水の新版画と出合ったジョブズ

 ジョブズとフェルナンデスは14歳の時に出会い、電子機器オタク同士で意気投合。フェルナンデスの家のガレージで共に機械いじりや工作に興じていた。ジョブズが最初にフェルナンデスの家のリビングに招かれた時、壁に掛けられていた新版画3枚に目が釘付けになったという。彼の祖父のコレクションで、母も大学で日本美術を学んでいた。それが日本の新版画との出合いだった。
 個人的には「新版画」というものはよく知らなかった。江戸時代の浮世絵版画の技術が明治期以降も継承されて発展し、西洋画のような精細な絵画を木版画で表現した作品群のことらしい。特に大正期から戦後にかけて活躍し600を超える作品を残した川瀬巴水(はすい)はその精緻な作風で海外でも広く知られ、北斎、広重と共に「3H」と並び称されている。フェルナンデスの家のリビングに掛けられていた3枚の新版画も巴水の風景画だった。

◾️「これこそマッキントッシュでやろうとしていることなんだ」と興奮

 ジョブズが新版画を購入したことがある銀座の画廊にいた美術商にもインタビュー。「ジョブズさんは『いろいろ教えてください』という割には、画集は全て頭に入っていて、自分の好みも整理されているように感じました。重要な作品を選んで購入されていました」と振り返る。
 スカリーによると「83年3月末に日本から帰国したばかりのスティーブとニューヨークで会ったら、彼が興奮しながら新版画について語っていたのをよく覚えています」。ジョブズは「とてもわくわくする経験だった。日本の版画は職人の分業制だと思っていたが違った。絵師が彫師や摺師に細かく指示して自己表現したものだったんだ。これこそまさに僕たちがマッキントッシュでやろうとしていることなんだ」と。つまりジョブズは日本版画の工程を学び、版画の絵師のようにユーザーが自由自在にコンピューター(彫師や摺師)を操り、自己表現できる製品づくりを目指したのだという。アップルがマッキントッシュで世界で初めて世に出したマウスで操作する方法も今では当たり前だが、この発想から出来たのだろう。

◾️憧れの盛田昭夫ソニー会長に会い、質問攻めに

 また、ジョブズはスカリーを連れてジョブズが憧れていたソニーの盛田昭夫会長(当時)を直接訪ね、質問攻めにしたとも。「ウォークマンは盛田さんのアイデアなのか?」「開発にはどこまで関わったのか?」「デザインはどこまで?」……。盛田が製品づくりの細部まで深く関わり、製品を愛していたことを知り、感激していたという。盛田から手土産として、発売前だった新製品のCDウォークマンを一つづつプレゼントされたが、帰りの飛行機の中でジョブズはスカリーに「君のをくれないか?」と言い出した。「君のはあるだろう。なぜ?」と聞くと、二つともすぐに分解して細部まで見るんだ、と答えたという。ソニーのユーザーオリエンテッドな哲学や妥協せず細かいところまで徹底して作り込む姿勢、シンプルで美しいデザインもジョブズはとても尊敬していたという。
 アップルの元海外販売担当幹部だったサジブ・チャヒルは「ソニーなくしてアップル製品はなかった」と振り返る。「マッキントッシュのあらゆる部品はソニー製でした。スクリーンはトリニトロンだし、最初のラップトップコンピューターは事実上ソニーの製品でした」「ジョブズはソニーをとても尊敬していました。デザインや完成度、小型化する技術が素晴らしいと。彼にとってソニーは道標のような存在でした」と振り返る。
 スカリーは語る。「私たちが常に基本に立ち返る基本的な考えは『洗練さを突き詰めるとシンプルになる』ということです。スティーブは日本文化の中にあるその考え方に深く共感していました。この点は盛田さんも同じでした。盛田さんは『シンプルであろうと常に気をつけている。シンプルさは最も重要な原則だ』と言っていました」

◾️日本美術や職人の技をこよなく愛したジョブズ

 ジョブズは京都の旅館によく泊まったという。「畳の上で寝ることや、まるで儀式のような食事、素朴で洗練されたな器。スティーブはみんな大好きでした。風呂の入り方すら気に入っていました。それらは全て単に形式的なものではなく、実用的でもありました。そうした日本文化にどっぷり浸かるのが彼は本当に好きだった」とスカリーは振り返る。
 ジョブズは日本を訪れるたびに画廊や美術ギャラリーを訪れ、新版画や陶器をいくつも買って帰った。
 ジョブズに頼まれて東京の陶器ギャラリーをいくつも案内したという京都の美術商、ロバート・イエリンは「彼にとっては全てが新鮮だったようで、大いにはしゃいでいました。特に16世紀ごろの信楽焼の丸みを帯びた壺に興味深々でした」と語る。それは人がうずくまっている形に似ているため「蹲(うずくまる)」と呼ばれている形の作品で、ジョブズは「とても自然で温かみのある丸みで、恋人や妻の肩を撫でているようにロマンチックな気分になる」と語っていたという。「こういうなだらかな感触を私の製品にも持たせたい」と語っていた、とも。日本の古い壺から多くのヒントを得ていたようだ、と。
 また、イエリンは「日本の大工が作るものは一見シンプルですが、実はとても複雑な工程を経ていて、多くの労力が費やされています。強い意志、技術、デザイン、そして多くの失敗の積み重ねなのです。そうした日本文化からジョブズは多くのインスピレーションを得ていました」
 10年にわたりジョブズと交流したという富山県立山町の陶芸家、釋永由紀夫にもインタビュー。400年以上続く窯元で、ジョブズとは96年に京都で個展を開いている時に出会ったという。ジョブズは作品を数点購入した後、「自分にも作ってくれないか」と花入れや茶碗、皿を注文。特に皿は角を大胆に丸みを帯びたデザインにするようこだわったという。
 スカリーは「彼は和食、日本の美術、そして職人の技を愛していました。その一つ一つが彼の人生を形作っていたのです」と。
 ソニーや日本文化を愛し、陶器や新版画のような「細部まで技術を突き詰め、それでいてシンプルで洗練され、親しみやすい丸みを帯びたデザイン」を目指したジョブズ。日本文化をどれほど尊敬し、製品づくりの基本哲学にしていたのかが実によく伝わる番組だった。

待遇改善しなければ人は雇えない~オーバーツーリズム考(3)

Posted by fukutyonzoku on 13.2023 ビジネス 0 comments 0 trackback
 今週のテレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」でも特集していたが、コロナ規制の解除と大型連休が重なり、観光業も飲食業も需要回復に働き手の復帰が追いつかず、どこも人手不足が深刻だったようだ。

◾️需要は回復も働き手は戻らず

 連休中、コロナ禍前のように外国人で混雑した東京・浅草の観光人力車「時代屋」は、車夫不足のため30台ある人力車は半分しか稼働できなかったという。
 大阪のホテル「ユタカウイング」では連休中の予約はコロナ前の7割程度まで埋まった。連休を見越して先月上旬から求人を出したが、応募はゼロ。仕方なく社長が自らフロント業務や客の送迎などを行い、休みなしだったという。
 牛丼の「吉野家」はパートやバイトが集まらず、連休中は都内の一部店舗で一時休業や時短営業を余儀なくされたという。



◾️時給2000円でアルバイト募集

 一方、東京都中央区の洋食店「TOP DINER」では2018年のオープン以来、自給1200円でアルバイトを募集してきたが応募がなく、困って昨年4月、時給を一気に2000円に上げて募集したところ、20人の応募があり、1人を採用したという。同店代表は「大手飲食店が時給を上げているなか、うちのような個人の小さな店だと時給1200円では絶対に人は来ない。時給2000円で本当に混雑している時間帯だけアルバイトでカバーしている」と話す。



 飲食店向け人材派遣会社によると、コロナ禍前は毎月3件ほどしか問い合わせはなかったが、今年初め以降は毎日2件ほどに急増。店側から毎日のように「人手が足りない」と悲鳴のような差し迫った電話がかかってくるという。最近も、蕎麦居酒屋の店主から「GW直前に従業員が辞めた。時給1300円ですぐに5人ほしい」と相談を受けた。派遣会社側は「それは難しい」とGWだけ時給を1600円に引き上げ、「賄いは店のメニューから選んでOK」という条件も提示して何とか4人を確保したという。派遣会社の担当者は「コロナ禍の時短・休業で働き手は飲食店に見切りをつけている。時給を200~300円上げても応募はなかなかこない」と話す。





◾️NYは最低賃金が時給2000円、レストランでも時給3000円超

 番組では「時給2000円」に驚きの声が上がっていたが、その程度で驚いてはいけない。繁しい時間帯だけの短時間労働の時給なら、なおさらだ。ニューヨーク市は最低賃金が時給15㌦(約2000円)。これを2027年にかけて21.25㌦(約2900円)へ引き上げる法案もすでに提出されている。レストランならチップを含めれば時給3000円をすでに超えているらしい。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/01/e00f5a30e27bb961.html

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000236402.html?display=full

◾️従業員の待遇を改善すれば働き手は集まる

 「オーバーツーリズム考(1)」で「人手不足といいながら観光や飲食店の経営者はなぜ募集時給を思い切って上げて人手を確保しようとしないのか?」と疑問を呈したが、想像した通り、番組で紹介されていた洋食店や蕎麦居酒屋のケースのように時給を上げれば人は集まる。要は、経営者がこれまでの低賃金相場から頭を切り替えられていないだけではないか。
 社員給与も含め、給与水準が上がり物価も上がることは経済にとっては悪いことではない。経営者は人手不足のために需要を取り損ねているのなら、迷わず従業員給与を上げるべき。日本の少子化や生産年齢人口の減少を考えれば、人手不足は今後も緩和しない可能性が高い。つまり企業は今後、高い人件費を負担しても利益を出せる企業や店でないと淘汰されていくということだ。経済の好循環を阻む低生産性企業が淘汰されることは、日本経済全体にとってはよいことだ。

先進国最多の「国民一斉休暇」がオーバーツーリズムに拍車をかける~オーバーツーリズム考(2)

Posted by fukutyonzoku on 13.2023 ビジネス 0 comments 0 trackback
◾️日本の祝日数は主要先進国最多

 日本の法定祝日日数は先進主要国最多レベルだという事実をご存知だろうか?
 戦後に祝日法が制定された当初は年9日だったが、今では16日にまで増えている。かつては学校も仕事も土曜日は午前中だけある「半ドン」だったが、1980年代後半から徐々に週休2日制が定着。その後も祝日が日曜日になる時は翌日が休日となる振替休日制度や、祝日と祝日に挟まれた平日は休日となる制度も導入され、法定休日数はさらに増えている(2023年は17日、24年は21日)。4月下旬から5月上旬にかけてのゴールデン・ウイークも年々大型化し、法定休日以外にも年末年始の12月29日~1月3日の6日間は官公庁や多くの企業が公休となる。また、成人の日、海の日、敬老の日、スポーツの日の4日間は月曜日に固定され、3連休となるハッピーマンデー制度も導入され、日本人の実質的な休日は増え続けているのだ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E6%B0%91%E3%81%AE%E7%A5%9D%E6%97%A5%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B

 欧米の法定年間祝日数はスウェーデンとポルトガルが日本と同じ16日で最も多く、イタリア、スペイン、ニュージーランドが12日、米国、フランス、ドイツは11日、豪州は10日、英国は地域によって9~11日と意外に少ない。
https://fumib.net/public-holiday/
https://president.jp/articles/-/21927?page=1
https://honkawa2.sakura.ne.jp/3100.html
https://www.globalnote.jp/post-14269.html



◾️欧米は祝日は少なく、有給休暇取得率が高い

 日本人はかつて世界から「ウサギ小屋に住む働きバチ」と揶揄され、「♪24時間戦えますか? ジャパニーズ・ビジネスマン~」とCMても鼓舞され、「過労死」がそのまま国際語になるほど労働時間が長い国として有名だった。ところが今では法定休日や振替休日も増え、パートタイム労働者が増えたこともあって平均年間実労働時間は米国よりも少なくなっている(日本はサービス残業や闇残業が多いという疑いは残るが)。欧米は法定休日数は少ないものの、有給休暇制度が充実し、日本と違って取得率も高いため、特に欧州は実際の年間平均休日数は日本より長い。各々分散してまとまった休みを取っているのだ。



 日本人や中国人は法定の休日が多く、一斉に休む傾向があるため、観光地はいつも連休になると集中豪雨のように人が押し寄せる。
 観光が日本経済を支える一大産業になりつつあり、しかも人手不足が供給側の成長ネックとなっているならなおさらだが、需要を平準化される努力が国策としても必要だろう。国はこれまで国際的にも批判され続けてきた長い労働時間を削ろうと、国民の法定休日を増やし続けてきた。それはすでに実労働時間の減少として成果が出ているが、一方で休暇の集中や中途半端な「細切れ休暇」の増加という弊害を生んでいる。
 これは労働生産性低下の一因にさえなっている可能性もある。日本は「失われた30年」の間も労働時間当たりの生産性や成長率は欧米と比べてそれほど遜色がないからだ。それほど労働時間削減や労働者の非正規化、パートタイム化が急速に進んだということだ。
 国が今やるべきことは、法定の休日を思い切って整理縮小する一方、有給休暇制度の一層の充実や取得率の向上を図る「働き方改革」を中小零細企業も含めて強力に推進し、労働者が分散して各々まとまった休暇を取れるように労働法制や企業文化を変えることではないか。それは、もちろん観光産業のためだけでなく、国民の生活の質(QOL)の向上にも資するはずだ。