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福田前次官の「セクハラ」は本当にセクハラか?

Posted by fukutyonzoku on 26.2018 メディア 0 comments 0 trackback


報道されている通りだとすれば、福田淳一前財務事務次官の言動は、財務省事務方トップと担当記者という双方の立場を考えれば、同義的、倫理的に唾棄すべきものであることに全く異論はない。テレ朝の女性記者の上司が「報道できない」と判断したことも、彼女がそのために週刊新潮に匿名で情報提供したことも、よくあることで、理解はできる(実際、週刊誌報道のネタ元は少なからず新聞・テレビ記者だったりする)。しかし、法的には「セクシャル・ハラスメント」と断定できるのか、という論点に絞れば、厚労省のセクハラ指針(9p~)をみる限り、微妙ではないかと思う。

🔳 「平均的な女性労働者の感じ方」が基準

「おっぱい触っていい?」「手縛っていい?」「不倫しようね」は、仮に冗談のつもりだとしても、厚労省指針が指摘している「性的なからかい」であり、「性的な言動」であることに疑問の余地はない。ただ、女性記者がそれを拒絶したり抗議することで、例えば取材を門前払いされるようになったなど、職業上の不利益を受けたわけではない。つまり、法的な分類では「対価型」ではなく、可能性があるのは「環境型」セクハラということだ。
「環境型」の場合、意に反した身体的接触があれば無条件でアウトだが、言葉だけの場合は明確な白黒の線引きはない。被害者の受け止め方が重要だが、かといって被害者が「セクハラだ」と思えば無条件にセクハラになるわけでもない。厚労省の指針にも「労働者の主観を重視しつつも…一定の客観性が必要」「被害者が女性の場合は『平均的な女性労働者の感じ方』を基準とする」ことになっている。
つまり、酒席での「おっぱい触っていい?」等について「私はセクハラとは思わない」との女性のコメントも少なからずあることを考えれば、少なくとも法的にはセクハラと即断はできない。

🔳「報道すべき」という判断と、個人としての苦痛や業務上の支障とは違う

また、テレ朝の女性記者は福田氏に抗議したのか、あるいは上司に「セクハラ被害者」として組織的対応を求めたのか、という疑問も残る。
テレ朝の会見での説明によれば、女性記者は上司に相談したというが、その相談内容は「報道したい」ということだったようだ。上司から報道できないと告げられた時点で、それでは一労働者、一被害者として財務省に抗議や提訴をするとか、あるいは我慢できないので担当を代えてほしい、といった意思を会社に対して示したのか、という点は不明だ。
記者が報道すべきだと考えることと、一個人として受忍限度を超えた苦痛を感じているかは、似ているようでいて別の問題である。彼女が記者として「ネタとしてやるべき」だと考えたとしても、もし個人的にはそれほど苦痛には感じておらず、内々に抗議したり裁判に訴えたり担当を代えてほしいとまでは思っていないとするなら、直ちにセクハラ被害者とは言いにくくなる。そのあたりの事情はこれまでの報道では何も伝わっていない。

🔳女性記者は本当に「従属的な立場」だったのか?

さらには、この2人の関係は果たして支配・従属の関係と言えるのか、という問題もある。
環境型セクハラの場合、加害者は必ずしも上司や支配的な力のある者である必要はないが、このケースは「職場環境の悪化」に当たるのか、ということだ。
彼女は、福田氏に度々呼び出され、酒を共にしていたという。これは彼女がもし100%仕事であると感じ、断りにくかったとしても、少なくとも福田氏とは直属の上司といった支配的な関係ではない。一般企業に置き換えれば、福田氏は彼女が担当する取引先の副社長か実力専務といったところだろうが、一般企業の取引関係と違うのは、記者にとって取材先はそれほど従属的な関係ではないということだ。
私も旧大蔵省をはじめ幾つかの中央府省庁を担当した経験があるのでわかるが、事務次官にはその省庁に関わる重要情報はほぼ全て入ってくるので、懇意になれば情報を得やすいのは確かだ。しかし、かといって仮に事務次官との関係をうまく築けなくても、それだけでは仕事上それほど決定的な障害にはならない(誘いを断ったり抗議したりすることで嫌がらせを受けたのなら、対価型セクハラとなる可能性が高いが…)。なぜなら、役所の取材先やネタ元(ディープスロート)になり得る幹部は、大臣、副大臣、政務官、官房長、総務審議官、各局長、局次長、各官房審議官、課長クラス…など、いくらでもいるからだ。直属の上司のように事務次官がその府省庁担当記者の生殺与奪の権を握れるわけではない。避けようと思えば避けることができた関係であったはずなのだ。

それを考えた場合、彼女のケースは、事務次官に店に呼び出されて卑猥な言葉を何度か浴びせられたことが、厚労省指針の判断基準にある「就業する上で看過できない程度の支障」と言えるのか、という点でも疑問が残る(もちろん、女性によっては仕事や体調にも悪影響を及ぼすほど心にダメージを負う場合があることは否定しないが)。

本当に嫌なら誘いを無視したり、適当な嘘をついて避けたりすることもできたはずだし、直接本人に強く抗議することもできたはずだ(実際にそうしたか、しなかったかは不明)。さらに言えば、例えば隠し撮りをした音源をその場で再生し、脅して今後一切の猥談をやめさせることもできたはずだし、もしかしたらそれをゆすりの材料として情報を得ることさえできたかもしれない。
それよりも彼女は、次官の酒席の猥談を隠し撮りし、それを「セクハラ次官」として週刊誌に書かせ、福田氏を社会的に抹殺することを選んだということだろう。福田氏は人格や倫理の問題以前に、脇の甘さ(リスク管理能力の欠如)だけで次官失格ではあるのだが。

麻生太郎財務相や安倍政権擁護一辺倒の自民党議員らを弁護したくはないのだが、「はめられたのではないかという意見もある」との解釈は、現時点で公にされている情報を基にすれば、それほど突拍子もない解釈とも言い切れないのだ。下村博文元文科相の「ある意味、犯罪だと思う」は論外だが。
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