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日本が経済複雑性ランキング世界首位独走ってどういうこと?

Posted by fukutyonzoku on 10.2020 経済 0 comments 0 trackback

 今年1月のダボス会議で話題になったHarvard’s Growth Lab(米ハーバード大成長研究所)発表のEconomic Complexity Ranking(経済複雑性ランキング)。日本は過去30年ほどずっと世界首位を独走とか。経済複雑性とは産業構造の多様性と厚みとのこと。輸出データから割り出している。2017年の最新版では2位はスイス、3位は韓国、4位ドイツ、5位シンガポール、6位チェコ、7位オーストリア、8位フィンランド、9位スウェーデン、10位ハンガリー。
 なのに、なぜ日本は断トツで経済成長率が低いのか、という疑問が浮かぶ。スイスの一人当たりGDPは常に世界トップクラスだ。
 その訳はこういうことではないか。日本は何でも自前で作ってしまい、経済の自立性が高いのかもしれないが、かといって世界的な経済危機に強く経済の安定性が高いわけではない。バブル崩壊、アジア通貨危機、リーマン・ショックなどの過去の経済危機を振り返れば、そのことは明らかだ。裏を返せば、日本は弱小の中小零細企業の数が驚くほど多く、存続至上主義なので儲からなくてもよく、特に危機時には国や地方政府が信用保証を使った公的融資で必死に支えようとする。だから世界的にみれば日本は倒産が少なく、廃業率も低い。その結果、産業構造が変わらず「選択と集中」がうまくいかない。ゾンビ企業が死なず、利益の出ない製造・輸出が続いている。
 経済複雑性世界首位とは、このことの裏返しではないのかと思えてくる。
http://www.world-economic-review.jp/impact/article1600.html
https://ampmedia.jp/2020/01/10/economy-complex-ranking/
https://note.com/kaoimada/n/n7f7c77211e1f
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