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新型コロナ第6波 重症者が少ないのに死者が増えている理由

Posted by fukutyonzoku on 03.2022 医療 0 comments 0 trackback
 今朝のテレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」から。今月2日の新型コロナ全国死者数は82人と、第5波のピーク(89人、昨年9月8日)を超えそうな勢いで増えている(過去最多は昨年5月18日の216人)。
 不思議なことに、重症者数は886人と第5波のピーク(昨年の9月4日の2223人)の約4割水準にとどまっているのもかかわらずである。高齢者や基礎疾患保有者が感染に伴って持病が悪化し、軽症や中等症から持病が悪化し、亡くなるケースが増えているのだという。






 番組にゲスト出演した二木芳人・昭和大医学部客員教授によると、昨年のワクチン接種や重症化抑制薬、治療法の進歩に加えて、そもそもオミクロン株は肺では増殖しにくく、肺炎が悪化するケースが少ないという。このため、肺炎やサイトカインストームといった従来の新型コロナ特有の症状で亡くなるケースは激減しており、新型コロナ感染が引き金となって元々持っていた持病が悪化して亡くなるケースが増えているという。典型的なのが北海道で、第6波では重症者はいまだゼロなのに既に30人近くが亡くなっている(うち50代の1人以外は全て60代以上)。ただ、これはインフルエンザや風邪でも起こる現象だという。
 日本ではインフルの流行年には1000万人以上が罹患し、推計(超過死亡概念)で1.5万人が死亡したとされている年(2005年)もある。恐らくその殆どが高齢者だろう。



 季節性インフルエンザの場合、罹患は冬の3~4カ月に集中しているので、仮に亡くなる人が冬だけと仮定すれば、05年の冬季の死者数は月に3750~5000人。約4000人としても、1日平均約130人が亡くなった計算だ。日別のピーク時には少なくとも数百人に達するはずだ。それを考えると、後遺症などコロナ特有の問題は残るとしても、感染者数や死者数だけをみて大騒ぎするのはどうなのか、という気もする。
 ただし日本の場合、この程度の感染者数、死者数に抑えられているのは、ワクチン効果に加えてマスク着用や三密回避、会食自粛といった行動規制や自粛の結果という側面もあろう。ウイルス自体がインフル並みに弱毒化したとはまだ言えない。ここは忘れてはいけないのだと思う。
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