予算の中身にも首を傾けたくなるものが少なくない。Go To トラベルや同イートなどの観光・飲食振興は必要か。コロナ禍が落ち着いて水際対策が緩和された今のタイミングなら、放っておいてもインバウンドを含め観光や飲食需要は急回復するはずだ。「企業の輸出拡大」対策も円高不況時の対策なら分かるが、30年ぶりの円安水準という輸出企業にとって強い追い風が吹く中で、必要な対策とはとても思えない。 リスキリング(学び直し)など人への投資や子育て対策、脱炭素政策の加速、食料安保などのメニューも並んでいる。これらは確かに必要な政策だろうが、補正予算でやるべき政策か。補正予算は本来、大規模な災害発生など予期せぬ予算需要が生じた際の追加予算措置のはずだが、これらの政策メニューはいずれも中長期的に必要な政策であり、当初予算で正面から措置すべきものばかりだ。どさくさ紛れで補正に潜り込ませるような予算ではない。