
久しぶりにいいものを見せてもらい、元気をもらった。
ドイツ・ビリンゲンで昨日行われたノルディックスキーワールドカップ(W杯)ジャンプ女子個人第17戦で、伊藤有希(28)、丸山希(24)、高梨沙羅(26)の3人娘が見事1、2、3フィニッシュで表彰台独占という歴史的快挙をやってのけた。国際大会での日本女子の表彰台独占は初めて。男子を含めても長野五輪翌年の1999年、ラムソー(オーストリア)で開かれた世界選手権で舟木、宮平、原田が表彰台を独占して以来24年ぶりだ。伊藤のW杯優勝は6季ぶり6勝目。丸山はW杯参戦4季目で初の表彰台。高梨は 2戦連続3位表彰台で、男女W杯通算表彰台最多記録を115回に伸ばした。勢藤優花も10位に食い込み、日本勢4選手がそろってトップ10入り。
コーチ陣やスタッフ、スポンサーの方々も含め、日本女子スキージャンプチームのみなさん、本当におめでとう!

この日はジャンプ台が大きなラージヒルで、激しく雪が降り視界が悪いコンディションの中で安定した向かい風が吹くという、日本勢が得意な好条件が整った(日本勢は小柄で体重が軽く、空中の技術が高いため)。前日の同じジャンプ台での第16戦でも予選で高梨2位、伊藤3位、丸山6位、決勝で高梨3位、伊藤4位、丸山5位と、予兆はあった。とはいえ、まさか本当に表彰台を独占するとは。


伊藤は日本女子チーム最年長。高梨と優勝を競っていた時期もあったが、W杯2016ー17シーズンに5勝を挙げ、高梨に次ぐシーズン総合2位となって以来、優勝から遠ざかり、長いスランプに苦しんでいた。


チーム最年少の丸山は伊藤、高梨に続く次世代のエースと期待されながら、2年前の北海道・大倉山での全日本選手権ラージヒルで転倒。左膝前十字じん帯断裂などの大けがを負い、昨季の北京五輪代表入りを逃した。今季は辛いリハビリ生活を経ての復帰だった。

高梨はW杯シーズン総合優勝は女子最多の4回(男女を通じても最多タイ)、優勝回数は男女通じて歴代最多の63勝の言わずと知れた「世界のレジェンド」だが、今季はまだ優勝がなく、ビリンゲンに来るまで波に乗れていなかった。

なお、前日4日にカナダで行われていたスキージャンプジュニア世界選手権団体戦でも日本代表女子は、高梨、伊藤らを擁して優勝して以来9年ぶり3度目の優勝を果たした。伊藤は優勝インタビューでこのことを紹介し、「今朝起きてそのニュースを知ってすごく嬉しかった」と話し、「難しいコンディションでしたが、オーガナイズ(大会運営)の皆さんが一生懸命整備してくださって、(ラストジャンパーとして)大歓声の中で飛ぶことができて、幸せでした」と振り返った。
2本目トップの136.5㍍を飛んで4位から2位に順位を上げた丸山は、伊藤と同様に目に涙を浮かべながら「W杯を回らせてもらって4年目で、また(怪我から)帰ってきたシーズンに沙羅さん、有希さんという憧れの先輩と一緒に表彰台に立てるなんて、嬉しい気持ちと支えくださった皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。
1本目にこの日の最長不倒である137.5㍍を飛んで伊藤に次ぐ2位につけた高梨は「2本目は少し攻め過ぎました」と反省しながら「昨日、一昨日から誰が表彰台に上がってもおかしくないほど日本チームの状態は上がってきていたので、もしかしたらとは思ってましたが、まさか本当に表彰台を独占できるなんて。本当に嬉しいです」と、自分が優勝した時以上に笑顔を弾ませた。
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