2月8日のNHK「クローズアップ現代」は「強盗から『家』をどう守る 進化する“闇名簿”の実態」。「治安のいい国」だったはずの日本もかなり物騒になりつつあるようだ。
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pEL2wvawQr/◾️
犯罪グループが特殊詐欺から強盗にシフト 番組によると、強盗事件が増えている背景には、「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺の検挙件数が増加傾向にあることがある。警察の取り締まり強化や行政、金融機関、メディアの啓蒙活動強化の効果が出ているわけで、反対に被害総額は2021年まで7年連続で減少。追い込まれた犯罪グループが特殊詐欺より簡単な強盗に「仕事」をシフトしているというのだ。
技術的にもSNS、特に一定時間後にやり取りの記録が消えるTelegram(テレグラム)アプリの登場により、証拠を残さず不特定多数のグループとやり取りが可能に。「闇バイト」で集めた見ず知らずの人間とも足がつかない形で情報交換や連絡がしやすくなったことも大きい。
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「闇名簿」で資産家情報を入手 資産家情報は、名簿売買業者などを通じて簡単に入手できるという。金融機関の大口預貯金者、カード会社の高額決済者、大手百貨店の外商顧客、不動産会社の土地持ち住民や億ション住民、高級住宅街の町内会などのリストまであるという。小遣い稼ぎでこうした顧客リストをこっそり業者に売りにくるサラリーマンが大勢いるのだとか。「父が証券会社に勤めているんですけど、パソコン覗いたら顧客リストがありました」と持ってくる若者も。なかには税務署の高額納税者リストや消防署が作成した災害時に救助な必要となる高齢者リストまであったというから驚きだ。彼ら公務員や会社員は、犯罪行為だとわかってやっているのだろうか? こうした個人情報を売買する業者も規制する必要があるのではないか?
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「闇バイト」集め、虚偽の調査で情報補完 犯罪グループは名簿業者からこうした「闇名簿」を買い、「闇バイト」サイトでアルバイトを集め、電話をかけさせる。「◯◯◯役所の地域安全課です」などと嘘を名乗らせ、「おばあちゃん、一人暮らしで大丈夫?」「体は心配ない?」「家にたくさんお金置いてると不用心だからね」「お子さんは近くにいるの? よく訪ねてくる?」などと質問し、資産状態や家族構成、親族や近所付き合い、金庫の中身や健康状態まで聞き出すという。
あるいは行政や企業、メディア等の調査と偽って自動音声で一斉電話をかけて資産状況を含む個人情報を入力させたり、電話で「アンケート」と称して個人情報を聞き出す場合もあるという。こうして肉付けされたリストには家主の生活パターンや性格まで記載されているという。
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宅配業者など装い下見まで こうして集めた情報によって狙いをつけた家に対し、闇バイトの連中が宅配業者やリフォーム業者、水道業者などと偽って訪問し、下見する。点検と偽ってうまく家に上がり込めれば、家の間取りや防犯カメラの位置、金庫の場所、侵入経路や逃走経路まで仔細に事前チェックするという。ターゲットにされたお宅や家人の詳細な情報は首謀者から指示役に下ろされ、さらに複数の実行グループに情報提供し、報酬を提示しながら犯行を持ちかけるという。
匿名でNHKの取材を受けた元強盗グループメンバーは「山口や広島、狛江の事件のお宅の情報は私のところにも随分前から入っていた。最初はルパン(空き巣)できないかと指示役は言っていた。別のグループが先に手を挙げてやったけど」と話した。記者が「犯罪ですよね?」と質問すると、顔にモザイクがかかっている彼は「一つのビジネスとしか考えていない」と答えた。「ビジネス」ねえ。
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個人情報を安易に話さないこと 防犯専門家によると、強盗被害に遭うリスクを下げる対策としては、①資産情報などの個人情報は安易に他人に話さない②防犯カメラの設置③窓に防犯フィルムを貼り、窓の上側に補助錠を設置する④在宅中も施錠。玄関を空ける際もチェーンをして⑤宅配便は置き配で⑥大金を家に保管しない。または防犯金庫に換える⑦最寄駅から自宅までは不審者に後をつけられていないか注意する⑧トイレにスマホを持って立て篭れるよう丈夫な内鍵をつけるーーなど。
減り続けていた日本の刑法犯認知件数は昨年、前年比5.9%増と20年ぶりに増加に転じた。このうち、サイバー犯罪ではランサムウェア被害件数が同57.5%増。自転車窃盗、傷害、暴行など街頭犯罪が同14.4%増。殺人、強盗、放火、強制性交などの重要犯罪は同8.1%増。児童虐待の通告件数やDV被害相談件数も毎年のように過去最多を更新している。
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