先述したフィボナッチ数列や黄金比率、チューリングの数式以外にも、「12」という数字の謎も興味深い。
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年月や時間、星座、干支、計量単位、音律にも… 年月や時間は今でも12進法だし、星座や干支(十二支)もそうです。1971年まで英国通貨の1シリングは12ペンスだったし、現代でも1フィートは12インチ、貴金属や宝石の計量に使用される1トロイポンドは12トロイオンス。ダースやグロスも12進法ですね。
数詞でも英語で11はeleven、12のことはtwelveだが、13以上になるとthirteenというように表現が変わりますよね。つまり12までで一区切りとなっており、これはドイツ語やオランダ語、スウェーデン語などのゲルマン語派の数詞も同様です。
音律も12進法です。ピアノなら1オクターブで白鍵が7、半音の黒鍵が5の計12音階です。1オクターブ上がれば周波数がちょうど2倍になるそうです。1オクターブを12等分したのが12音階で、これは「平均律」と呼ばれています。現代の殆どの楽器はこの原理に基づいて数学的に弦などの長さや太さが調整されているんですね。
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神話や伝統、陪審員の数まで さらには、少し話が逸れますが、ギリシア神話はオリンポスの12神だし、イエス・キリストの弟子も12使徒で、ユダヤ人は12氏族から成るとされていますね。恐らくそれらが起源となって英米の裁判陪審員は今でも12人です。仏教にも「十二縁起(因縁) 」や「十二神将」があり、宮中には「十二単衣」もありますよね。飛鳥時代の推古天皇の時代には「冠位十二階」もあったし、戦国最強と言われた「武田二十四将」は12の倍数です。
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起源は月が地球を1年に12回転することか なぜ12という数字をこれほど人類は多用するようになったのか? 恐らくその起源は、月が地球を1年間にほぼ12回転することから来ているから、という説が説得力があるように思えます。地球から見ると月の満ち欠けは1年間に12回繰り返される。古代から人類は天体を観測するなかでこのことに気付き、主に農業のための暦に使ったため、今でも暦や時計は12進法のままだし、それが計量単位にもなった。
角度も円の1周が360度で、時計と同じ12進法(12×30)となっている。これは古来、地球が太陽の周りを一周する1年を360日と定義したことからきているといい、地球が1日で太陽の周りを回転する角度が1度となる。
人類は12進法を使ううちにそれが生活リズムとなり、12は特別な数字となっていったのでしょう。
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割りやすく、数えやすい便利な数字 もう一つ、12は平等に分けやすい平和的な数字でもあるとの解釈も。2~4人までなら平等に分割できる数字だから古来親しまれてきた、とも言われます。ちなみに360度や360日(より正確には365日)として使われた360という数字も、1 から 10 までの数のうち割り切れない数は 7 だけという使いやすい数字でもある。
さらには、指を用いて数字を数える際に、片手の人差し指から小指の節がそれぞれ3節あり、3節×4本=12であることが数えやすかったから、との説もあるようです。
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=56797?site=nli
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