昨夜(2013年2月17日)のテレビ朝日深夜のスポーツ番組「GetSports」に、米女子ゴルフツアーで活躍する宮里藍が、彼女のコーチである
リン・マリオットとピア・ニールソン とともに出演。宮里が二人から伝授され実践しているというメンタル・トレーニング法
「ビジョン54」 のエッセンスを紹介した。なるほど実践的で、我々アベレージゴルファーにも役立つ内容であり、ゴルフやスポーツ以外にもビジネスや人生哲学としても応用可能なメンタルコントロール・メソッドであるという。備忘録として記しておきたい。
リン&ピアは、米アリゾナ州フェニックスに拠点を置く企業「ビジョン54」の共同設立者。ふたりともスウェーデン人だが、優れたレッスンプロとして国際的に認められた存在で、ゴルフダイジェスト誌の「50人のトップレッスンプロ」、ゴルフマガジン誌の「100人のトップレッスンプロ」、Golf for Womenの「50人のトップレッスンプロ」に選ばれている。特にそのメンタル・トレーニング法が高く評価されており、アニカ・ソレンスタム、スーザン・パターソン、グレース・パク、ケン・ケラニー、宮里藍ら、多くのトッププロを指導している。
なお「ビジョン54」の「54」は、18ホール(パー72)を全てバーディーで回った場合のスコア。現実には、特にアマチュアゴルファーにとってはほぼ不可能なスコアだが、それを不可能だと思う心理上のリミットを取り除き、挑戦すれば不可能ではなくなる、といった意味なのだそうだ。
さて、番組で宮里とリン&ピアが紹介した「ビジョン54」の概要は、以下の通り。
(1)ミス・ショットをした場合でも大声を出したり感情を爆発させない。感情を爆発させると、ミスのイメージが脳により残りやすくなるという。
(2)ミス・ショットをして動揺が収まらない時には、リラックスできることを考える。宮里の場合は沖縄の海や家族のことを考えると気分が落ち着くという。ミスを引きづらず、いかに上手に切り替えることができるかが、スコアメイクには非常に重要。
(3)ショットを打つ前にボールの後方に立つ際、立っている位置とボールとの間のティーグラウンド上に頭の中で線を引く。線の後ろが「思考ボックス」、線を越えたら、そこは「実行ボックス」と想定する。思考ボックスでどう打つか考えとイメージを決める。線を越えて実行ボックスに入ったら、後は決めたスイングを迷わず実行するだけ。実行ボックスに迷いを持ち込んではいけない。思考ボックスで決めたイメージ通りのスイングを実行することだけに集中する。
(4)ティーショットからパットまで全てのスイングで、構えからスイングを終えるまで同じルーティン(動作)を行う。その間にかかる秒数も常に同じになるように。練習時に心の中で「1、2…」と秒数を数え、常に一定になるよう練習するとよい。宮里の場合はゆっくりめで常に10秒。9秒を超えると心の中で雑音が聞こえて迷いが生じやすくなるので、9秒以内がベター。
(5)スイングから力みを取り除くコツとして、練習時にポテトチップスを口に挟み、割れないように注意してスイングする方法を宮里は実践しているという。顎にはたくさんの神経が集中しており、スイング時に顎に力が入ると全身に余計な力みが生じるという。かつてのバスケットボールのスーパースター、マイケル・ジョーダンや100㍍世界記録保持者のウサイン・ボルトらは、大事な場面でのシュートやスタート前などによく舌を出していることで知られている。無意識にやっているのか意図的にやっているのかは不明だが、力まないための理にかなった行動だという。
(6)パットの際には構えてからカップを何度も見ない。見るのは一度だけ。宮里の場合、カップなど1点をじっと睨む癖があるというが、これは目の周辺の筋肉が強張り、全身の力みに繋がるほか、視野が狭くなり距離感が狂う原因になるという。宮里はラウンド中にもよくサングラスをかけて両目を上下左右にクルクル回し、目の筋肉をほぐしているという。
(7)パットの練習では、構えた後に目を瞑って打ち、ボールがどう転がったかを目を瞑ったまま予想する練習法が効果的だとか。「カップから5㌢ショート、10㌢左」などと。この練習を繰り返すことで、パットでボールをヒットする感覚が研ぎ澄まされていくという。
なお、関連本もいろいろ出てるので、興味のある方はそちらへ。
http://www.vision54.com/vision54/pages/japan/books.jsp
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