NHKスペシャル「病の起源」うつ病

Posted by fukutyonzoku on 21.2013 医療 0 comments 0 trackback
10月20日夜9時から放送されたNHKスペシャル「病の起源 第3集 うつ病~防衛本能がもたらす宿命~」をみた。
http://www.nhk.or.jp/special/sp/detail/2013/1020/



日本の患者数は10年余りで倍増

人類が苦しむ病気を、進化の観点から追求する「病の起源」。シリーズ第3集は、働き盛りを襲い自殺に追い込むなど深刻な社会問題になっている「うつ病」。世界の患者数は3億5千万人に達し、日本でもこの10年あまりで2倍に急増している。なぜ、私たちはうつ病になるのか?
その秘密は、意外にも5億2千万年前に誕生した魚の研究から明らかになってきた。魚でもある条件を作ると、天敵から身を守るために備わった脳の「扁桃(へんとう)体」が暴走し、うつ状態になることが分かってきたという。


■発症メカニズムを解明

その発症メカニズムは、天敵に出合うと強いストレスホルモンが出て、それが「扁桃体」の活動を活性化し、不安や恐怖の記憶として脳に残りやすくなる。それにより、天敵から身を守る行動に繋がり、生き残る確率を高めてきたのだという。
ところが、こうした不安や恐怖が長期間続くと、扁桃体が暴走を始めて脳が萎縮していき、うつ病になるというのだ。
さらに2億2千万年前に誕生した哺乳類は、扁桃体を暴走させる新たな要因を生みだした。群れを作り外敵から身を守る社会性を発達させたことが、孤独に弱くなり、うつ病になりやすくなった。実際、チンパンジーは長期間群れから離されると、孤独に耐え切れず、うつ病になるという。
そして700万年前に人類が誕生。脳を進化させたことで高度な知性が生まれ、文明社会への道を切り開いてきた。しかし、この繁栄は、皮肉にも人類がうつ病になる引き金を引いていた。文明社会によって社会が複雑化し、人間関係が一変したことが、扁桃体を暴走させ始めたという。


背景に格差拡大と対人関係の複雑化

紀元前のメソポタミア文明で、人類最初のうつ病の記録が残っているという。富を持つ権力者が現れ、貧富の格差が激しくなったことが原因、だという。
今でも狩猟採集で暮らす原始共同体のアフリカのある部族。獲物は共同体内で完全に平等に分けられるという。この部族を米国の大学が調査した結果、うつ病患者はゼロで、うつ病になる要素も非常に低いという結果が出た。
この調査をした米国の研究者は、公平や平等というのは心の安定には非常に大事な要素だと語る。ある実験で、自分が明らかに損をしたケースと、逆に明らかに得をしたケース、ほぼ平等・公平な結果を得たケースのそれぞれについてストレスの度合いを測定したところ、損をしたり得をした場合に強いストレスが発生する一方、平等・公平なケースはストレスが皆無--という結果を得たという。
また、「立場の弱い人は常に強いストレスにさらされている」とも語る。比較的自身の裁量で仕事ができる範囲が広い専門職や技能職に比べ、ノルマや上司の厳格な管理の下に置かれている営業職や非技能職の職業グループの人たちの方が、うつ病が格段に多いという調査結果もあるという。
現代人にうつ病が増えているのは、格差の拡大や対人関係上のストレスの増加が原因、との結論だ。

生活改善療法で薬漬けから解放

最後に、米国で最近注目されているTLCと呼ばれる生活改善療法を紹介。基本的には規則正しい生活と定期的な運動をするというだけのものだが、ある患者は「長年薬を飲んでいたが、この治療を始めて1年で薬から解放されました」と話していた。薬漬けにするだけの日本のうつ病医療に警鐘を鳴らしている。
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