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新成長戦略シンポジウム(その1)

Posted by fukutyonzoku on 06.2014 公共政策 0 comments 0 trackback
7月5日(土)午後、東京・丸の内で開かれた「新成長戦略の閣議決定を受けて~『日本再興戦略・改訂2014』の評価と今後の課題」と題したシンポジウムを覗いてきた。メモを起こして要約を紹介する。

パネリストは、竹中平蔵・慶応大教授(産業競争力会議/国家戦略特区諮問会議)、伊藤元重・東京大大学院教授(経済財政諮問会議)、関口和一・日本経済新聞論説委員兼編集委員の3氏、モデレーターは(時の人?w)別所直・ヤフー執行役員社長室長。

別所:新成長戦略を採点すると?

伊藤:80点。学生の成績なら「優」。成長戦略は「3本の矢」でなく「1000本の針」の束が必要。それほど個別の政策一つ一つが大事。

竹中:80点。点数をつけることに余り意味はないが(笑い)、前回よりはいい。当初は50点くらいかなと思っていたが、最後の10日間で大逆転が起こり、80点までもっていって、びっくりした。今回は決め方が違った。最後に総理官邸に持っていき、総理と官房長官、関係大臣の4者~5者会議で全て決めてしまう。総理と官房長官がリーダーシップを発揮された。霞が関の政策決定文化を変えたと言ってもいい。
大きな方向性が示されたが、これから霞が関との本当のバトルが始まる。具体的な制度設計のところで骨抜きにしていくのが霞が関の得意技。そこで骨抜きにさせないことが肝心。


関口:75点…

別所:法人税減税の評価

竹中:実効税率は英国も20%への引き下げを決めた。香港やシンガポールは10%台。日本はせめて20%まで早く下げるべき。

伊藤:企業にとってはむしろ社会保障負担の方が重く、法人税減税の議論は社会保障負担と一体でやるべきだとの批判もあるが、もし一緒にやったら何も決まらなかっただろう。今回は法人税減税にフォーカスしたからできた。

関口:20%台といっても幅広い。どこまでいくかが重要。今回はせめてドイツ並みの29%にということだが、アジア諸国は20%台半ば。競争を考えると29%でも高い。課税ベースを広げることは必要だが、ズルズルやらずにスパッと下げるべき。例えばアイルランドはITで成長しようと狙いを定め、海外企業誘致のため思い切って10%まで下げた(現在は12%)。

別所:財政問題もあり減税で減る税収の代替財源をどうするか。

伊藤:課税ベースを広げる、外形標準課税を強化するという議論には、中小企業への影響が大きいという反対論がある。税制中立に拘る必要はないと思う。法人税収は何もしなければ増えていく。デフレ脱却で経済が正常な状態に戻りつつあり、税収は増え始めた。そう考えれば税率を下げて経済界に還元してもいい。

別所:コーポレート・ガバナンス(企業統治)、稼ぐ力の強化については。

竹中:欧米の開業率は10%程度だが、日本はその半分。一方で廃業率も同じくらい低い。つまり日本は企業の新陳代謝が少ない国。ゾンビのような企業が生き永らえている。新浪さんがサントリーの社長にヘツドハントされた。世界では普通のことだが、日本では経済新聞の1面トップニュースになるほど珍しい。
米国の「エージェント(代理人)モデル」が世界標準の経営理論だが、取締役会は株主の代理人なんです。それを監視する独立の社外取締役を置くことを株主が求めるのは常識で、取締役の半分以上と法律で義務付けている国もある。
一方で、日本では株式持ち合いがいまだに続いている。ドイツも同じだったが、やめた。それがドイツ企業が強くなった大きな要因と言われている。
日本の経済界はずっと反対してきたが、今回は経団連も少し折れて、2年後の会社法改正に向けて努力義務を課した。

今回の新成長戦略は、①法人税減税②コーポレート・ガバナンス強化③雇用流動化--が今回の3本柱。海外からも注目されている。

別所:コーポレート・ガバナンス強化のためには独立社外取締役以外に何を追加すべきか。

伊藤:取締役会のチェック機能と情報公開の強化。経済界は難しいと言うが、海外でも難しいと言われながらトライ&エラーを繰り返しながらやっている。委員会等設置会社は一つの有力な方法。りそな銀行が公的資金を受け入れる際に導入して会社がいい方向に変わった。みずほ銀行も今回の反社会的勢力との取引の問題を受けて導入を決めたが、問題を起こす前に全ての銀行がやればいいのに(笑い)。

竹中:雇用の流動化は必要だが、私は社長の流動化も必要だと言っている。海外には社外取締役を紹介するビジネスが普及している。日本もそうならなければ。

伊藤:イノベーションには改良型と破壊型の2種類あって、改良型は大企業でできる。技術的基盤があるのだから。しかし、破壊型はベンチャーが主役。しかし、欧米の企業の平均存続年数が6年なのに対し日本は12年。欧米ベンチャーはスタートダッシュで儲からなければさっさと畳んで次へ行く。そうやって全体としてダイナミックにトライ&エラーを繰り返している。日本はここが弱い。デフレの20年で日本は動かなかった原因はここにもある。マクロ的なショックだけでなくミクロも。

関口:グーグルは(かつて)社員が勤務時間の20%を自由に使っていいというルールを導入し、発想力を引き出そうとした。日本の経営者はコーポレート・ガバナンスとコンプライアンス(法令遵守)を混同している人が多い。コンプライアンスで雁字搦めになってしまい、新しいことが何もできなくなってしまっているケースがよくある。日本企業の経営者は不祥事や法律違反でクビになることはあるが、業績が悪いだけではクビにならない。経営者にとっては居心地がいい。もっと居心地を悪くする必要がある。

別所:ホワイトカラー・エグゼンプションは?

伊藤:雇用が改善してきた今がチャンス。

竹中時間で計る働き方は今後も必要だが、知識産業がドンドン広がっている。我々はずっと「時間で計らない働き方『も』認める必要がある」と言ってきた。でも、厚労省は決して認めなかった。最初は年収7000~8000万円以上とか言っていた。1000万円まで下がったとの話は海外にいる時に知ったが、正直驚いた。大きな一歩だ。
ILO(国際労働機関)の基になった「フィラデルフィア宣言」というのがあり、これで労働問題は政労使の三者で協議するという伝統ができてしまった。日本のその場は労政審(労働政策審議会)だが、労働者代表がずっと反対してきた。労働者代表って誰の代表? 少なくとも私の代表とは思えない(笑い)。連合の組織率はいまや2割しかないのに労働者の代表?


関口:雇用の流動化という場合、企業の内と外の両方ある。「外」は産業間や企業間の出入りの話だが、「内」は働き方の問題。日本はものづくりで成功したためブルーカラーの時間管理が働き方の基本になってしまった。全員が決められた時間にきちんと来て、決められた仕事をきちんとこなす。全員参加の「運動会型」。今は働く人の8割がホワイトカラーなのに、いまだにそれをひきづっている。それでは国際競争に勝てない。

伊藤:産業構造の変化によって働き方は確実に変わってきている。時代とともに①Rabor→②Work→③Playに変化。Play型の雇用形態に合わせた制度が必要。

竹中:解雇のルールは法律にきちんと書いてなくて、古い判例があるだけ。だからルールを明確にしましょうと言っているのに、「解雇の自由化」だと批判される。かつて労働運動の典型だった機械の打ち壊しと同じだ。解雇時の補償ルールの話をすれば「金でクビを切れるようにするのか」と。今だって最後は金銭で解決してるんですよ。
雇用を多様化しようというと、今度は「残業代ゼロ」だと。残業代ゼロじゃなくて、残業という概念をなくそう(なくす働き方も認めよう)と言っているのに。

(その2に続く)
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