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「高橋洋一」さんへの回答

Posted by fukutyonzoku on 20.2015 経済分析 0 comments 0 trackback
3年前に当該ブログに書いた「『97年消費増税が原因で税収は減った』説は本当か?」に対し、「高橋洋一」さんから数回に亘って挑発的なご質問が届いています。(「コメント」欄参照)

このコメントは、他の学者・エコノミストへの誹謗中傷を含め、あまりに下劣な内容で、高橋洋一氏本人かどうかも不明なこともあり、しばらく無視していました。本人だとすれば「アベノミクスの失敗」に対する批判の高まりでよほど追い込まれているんだろうな、と。いずれにしても、とっくに結論が出ている議論を何度も蒸し返すのは気乗りしないのですが、「どうしたんでしょうか、返事がありません」としつこく返答を催促されたこともあり、回答しておくことにします。

家計調査で判断する愚かしさ

まず、「高橋洋一」さんがコメントに引用しているように、2014年の家計調査結果を基に「消費は回復してない」と論じることには、あまり意味はないと思います。消費税増税前の駆け込み需要が2013年から始まっているのに対し、増税後の反動減は丸々2014年にカウントされているからです。
さらに、家計調査はサンプル数の少なさや調査協力世帯の偏り(公務員世帯が多いとの説)など、調査自体の信頼性に対する疑問もあります。一例を挙げれば、2006年の総世帯支出は2014年より落ち込みが大きかったわけですが、この年は夏場の天候不順がありながらQEベースの個人消費の伸びもGDP成長率も堅調でした。
家計調査は消費動向の定点観測としては一定の意味がありますが、消費の全体像、つまりは消費需要総量を判断する指標ではそもそもない、ということです。

個人消費は2四半期連続プラス

「消費は回復したんですか?」とのご質問ですが、答えは簡単明瞭。着実に回復しています。
四半期別GDP速報をみれば、個人消費は消費税増税直後の反動減で大きく落ち込んだ4~6月期以降は、7~9月、10~12月期と2期連続で前期比プラスと回復が続いています。民間最終消費支出でみても家計最終消費支出でみても、実質でも名目でも、です。
これ以上、説明が必要とは思えませんが、「0.2~0.3%程度(注1)の微増で『回復』と言えるのか」「4~6月に落ち込んだ後、底ばっているだけで『回復』と言うにはほど遠い」との声が聞こえてきそうなので、先回りして回答しておきます。
この件について私は、私と同意見の常識的なエコノミストたちと同様、「消費税を増税すれば景気は力強く回復する」とは言っていません。ただ、一時的なマイナス影響はあるにしろ、高橋氏らが言うように「消費増税を機に、景気が個人消費を中心に腰折れし、税収はかえって減る」といったことは起こらない、と言ってきただけです。個人消費ほど安定した需要項目はなく、消費税収ほど安定的な税源はないからです。
実際、私の予想通り、消費が落ち込んだのは4~6月期だけでした。7~9月期は天候不順やイレギュラーな在庫の動きもあってGDPは2期連続のマイナス成長となり、すわ景気後退か、と囃したてられましたが、実は肝心の個人消費は早くもプラスに転じていました。民間設備投資と総需要(GDP)も10~12月期にはプラスに転じ、消費税増税の影響が大きい民間住宅投資も3四半期連続マイナスながらも10~12月期のマイナス幅はゼロ近傍まで縮小しています。
また、2015年に入ってからも景気の順調な回復を示す指標が相次いでいます。設備投資の先行指標である機械受注の民需(船舶・電力を除く)は、4~6月期に前期比10.4%減と落ち込んだ後、10月に一度腰折れしそうになりながらも持ち直し、12月は前月比8.3%増の高い伸び。設備投資の急回復を示唆しています。

国内景気全体を総合的に判断する指標である景気動向指数(CI一致指数)も、夏場を底に順調に回復している様子を示しています。高橋氏らが盛んに喧伝していた「消費増税で消費や景気が腰折れし、デフレ脱却が遠のく」という姿は、少なくとも消費や景気動向の上では、私が予言した通り一時的な落ち込みが見られただけで、その後は順調に回復してきているというのが、公平にみた姿でしょう。

「増税で税収は減る」説はやはり虚妄だった!

2014年度の総税収も当初見込みより上振れ、15年度税収見込みはさらに増える見通しとなっています。

(参考記事)
1)国の税収上振れ1兆円超か 14年度、所得税など増

2)増税でも税収増達成、ついに崩れた都市伝説

つまり、消費税増税による消費や景気への下押し効果は4~6月期、せいぜい7~9月期で終了しており、個人消費は一時的な落ち込みがあっただけで、高橋氏らが予想していたような景気の腰折れも税収の落ち込みもなかったことが、ここにきて統計上、証明されてしまったわけです。
尤も、高橋氏らが予想の根拠としていた97年の消費税増税の後でさえ、個人消費は7~9月期にはプラスに転じていました。10~12月期以降の景気の急激な悪化は別の要因(金融危機)であったことはそもそも明らかだったのです。

消費増税に責任転嫁したいリフレ派

消費や実体経済が力強さを欠いている原因をあえて挙げるとすれば、消費増税よりもむしろ、物価上昇に賃金上昇が追いつかず実質賃金が低下していること、つまりはアベノミクスの成果が実体経済に波及していないことにあるとみるべきではないか。アベノミクスが「失敗だった」と結論付けるのは時期尚早かもしれませんが。
いずれにしても、リフレ派は「アベノミクスの失敗」に対する責任追及を恐れ、消費税増税に無理失理責任転嫁しようとしているようにしか、私には見えません。

(注1)その後、3月9日発表の2次速報値では、民間最終消費(個人消費)支出の実質値は、1次速報の前期比0.3%増から0.5%増に上方修正された。年率換算で約2.0%の伸びで、消費税増税直後の反動減を乗り越え、2期連続での消費回復の足取りはより鮮明になっている。


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