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スポーツに見る単線的な日本社会

Posted by fukutyonzoku on 17.2015 スポーツ 0 comments 0 trackback

日本の男子バスケットボールのトップリーグ統一問題解決のため白羽の矢が立った川淵三郎さんが、あるテレビのインタビューで「欧米では、子供たちはたいてい複数のスポーツをやっているが、日本は一つのスポーツを始めると、それ一本になってしまう」という趣旨のことを言っていた。
川淵さんは言う。「欧米では、子供たちにはいろんなスポーツができる環境があるんです。いろんなスポーツをやれば、バランスよく運動能力が発達するし、自分に向いているスポーツと出合うチャンスも多くなる。だからプロにまで掛け持ちで複数の競技をする選手が生まれるんです。日本でもそういう環境を作りたい」と。

なるほど、と思う。これはスポーツに限った話ではないだろう。勉学のみならず、音楽や美術、コンピュータープログラミングなど多様や選択肢が子供たちに用意され、もし得意なものが見つかれば、横並び教育ではなく、飛び級でどんどん先に進める道も用意されている。
これに対して日本は、「この道一筋」を礼賛する文化が強過ぎるためか、人生の選択肢が極めて単線的だ。子供のうちから勉強ができれば毎日塾通い、野球が好きなら野球ばかり、ピアノなら毎日ピアノ漬け--という子供が普通だ。日本のジュニアたちが野球などのスポーツでもクラシック音楽でもバレエでもゲームでも、世界的に非常に高いレベルにあるのは、おそらく練習量が圧倒的に多いからだ。
欧米の子供たちは高校生ぐらいまでは大抵掛け持ちでいろんなことに取り組んでいるため、一つの科目・種目の専門性や「練度」では日本(最近では中韓?)のトップレベルのジュニアたちより劣っていることが多いかもしれない。しかし、この力関係は大抵、大人になると逆転してしまうのだ。
一方で、日本の子供たちは途中までトップレベルでも実際にプロになれるのはひと握りなので、一つの種目で頑張ってきた子供ほど、挫折した後に別の道に進むのは容易でなくなる。
特に野球はプロとアマチュアの指導者の断絶という特有の問題もあり、プロでは当たり前になっている科学的なトレーニング方法がアマチュア指導者に十分還元されていないという問題もある。有名な野球名門校でも、いまだに選手に3合飯のドカ弁持参を強制し、夕方の練習前に部員全員で食べるという馬鹿なことをやっているという。白米は殆どが糖質で、タンパク質は少ない。体を大きくしたいなら、プロテインをとり、朝晩の練習時間を短くしてたっぷり睡眠をとる方が理にかなっているのに。有力高校出身選手はプロで活躍した有名選手ばかりクローズアップされるが、その陰で、能力がありながら体を壊してプロで成功できなかった選手たちも量産していることは、見過ごされている。プロとアマチュアとの断絶によって、アマチュア指導者は目先の成績が要求され、どうしても長期的な選手育成の視点が失われがちになってしまう。

話が少しそれてしまった。人生の選択肢が限られ、「この道一筋」をよしとする日本の文化は、子供のだけてはない。日本では「職を転々とする」とか「二足のわらじ」という言葉は、ポジティブに語られることは少ない。たまたまピッタリの道に出合った人はそれでいいが、そうでない人は自分を無理に役割に押し込める窮屈な人生を一生強いられてしまうことなり、当然ながら大多数が後者となる。人生とはそういうものだと思い込まされているとすれば、個々人にとって不幸なだけでなく、社会全体にとってもロスが大きい。
ドイツにも日本同様の職人(マイスター)文化があるが、日本のような長時間労働ではなく、QOL(生活の質)を大事にしている点で人生のバランスはいいし、子供の選択肢も多様だ。ドイツでは、地域スポーツクラブが各地域の中心にあり、トップアスリートの育成のみならず、一般市民とスポーツとの距離感も近い。フランスでは、トップアスリートの育成を全国各地にある国立のクラブが担っている。

川淵さんは、サッカーを核とする総合地域スポーツクラブを全国に張り巡らすドイツ型の地域スポーツクラブづくりを目指しているとみられる。日本では、こうしたスポーツや文化活動は学校の部活に偏重しているが、それは学校教師の献身的なボランティア活動で支えられてきた。しかし、最近では学校教師の労働環境の厳しさが問題となっており、限界に来ている。体育館やグラウンドというインフラは有効活用しながら、運営は民間に委託していく方向が合理的ではないか。

多様性と専門性の両立は、これからの社会システムに欠かせない。特に日本社会には、あらゆる分野でその両方が欠けている。
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