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「経済成長に反対」に反論する

Posted by fukutyonzoku on 17.2015 政治・経済 0 comments 0 trackback
以前このブログに書いた「蔓延する『駄々っ子の論理』とブードゥー・エコノミクス 」という記事について、ntさんから「経済成長には反対」というタイトルで長文の反論をいただきました。長文の熱意に敬意を表し、反論しておきます。

この手の情緒的な経済批判論というか生理的経済嫌悪論?に多いのですが、率直に言って「経済」に対する理解が根本的に不足していると思います。「経済」とは、ご指摘のように「多様な人間活動のごく一部分」ではないし、ましてや「必要」を満たすだけのものでもなければ「胃袋」を満たすだけのものでもありません。
マルクスの史的唯物論によれば、経済とは、政治や法律や宗教その他社会的事象(上部構造)を規定する「下部構造」です。つまり、経済とは、あなたが言うような「多様な人間活動のごく一部分」ではなく、全ての人間活動に影響する重要な「土台」であるとの考え方ですが、この考え方は現在の社会科学の世界では常識なのです。
人は「パンのみにて生きるにあらず」という趣旨に異論はありません。しかし、間違っているのは、GDP=消費=モノの生産、と経済を単純化し過ぎていることです。確かに日本のGDPの約6割は個人消費ですが、その個人消費の7割はモノの消費ではなく、サービス消費なのです。あなたが例示しているパチンコ、ディズニーランドもそうですね。
文化的活動もチャリティーを除けば、その殆どはビジネスとして提供されています。教育や医療でさえ、サービスを有償で提供しているわけですから、やはり経済活動です。国公立学校や病院は、税金で運営資金の全部または一部を給付され、無料または安価にサービス提供をしているだけであり、決して金銭のやり取り抜きで活動しているわけではありません。教育、医療などへの公的支出も当然GDPにカウントされています。
人間は、人生の多くの部分を経済活動に捧げる宿命から、いまだ逃れられていません。各人の職業が何であれ、元気なうちはその労力と時間の大半を(各種サービスを含む)生産活動とその準備のために費やし、余暇や老後でも医療や介護サービスを含む「消費」という経済活動に参加しなければ、生きていけないのが現代人です。それらを「必要のないもの」として否定することは即ち、「生の否定」に等しい暴言だということを、この方は気付いていないようです。
また、仮に「経済成長」を止めることができるとして、誰がどうやって止めるのでしょうか。国ですか? 旧共産主義国が軒並み失敗した計画経済ですか? 確かに中国では計画経済体制を一部残しながら経済成長していますが、経済成長を抑制することを目指す計画経済を支持する国民が、どこの世界にいるのでしょうか
あなたは「貨幣に対する欲望がそれほど強いものであるからこそ、公共的にその欲望をコントロールしなければならない」とも書いていますが、馬鹿も休み休みにしてください。
人類が長い苦難の歴史を経て辿り着いた自由と民主主義という、恐らくは普遍的な価値観を捨て、戦前の日本や現在の中国のような思想統制を行えと言うに等しい暴論です。もしかして、共産党の革命思想をいまだに信じている方なのかもしれませんね。

さらに言えば、地球環境問題が重要な問題であることは論を待ちませんが、地球の限界点がどこにあるのかいまだに学会でも定説がありませんし、仮に危機的な状況だとしても、日本だけが経済成長を政策的に抑制したところで解決できる問題でもありません。

そもそも経済成長の概念定義が間違っています。「経済成長」とは付加価値の増大であり、必ずしもモノの「増産」を意味しません。地球温暖化問題が仮に危機的だとしても、現在進めている再生可能エネルギーや原発、炭素税の導入など、技術的にも政策的にも打つ手はまだまだあります。モノを増産しなくても、イノベーションで生産性を高め、環境に配慮しながらGDPを拡大していく道はあり、まさに21世紀の世界が目指すべき方向性です。そんなことを語る以前に、環境問題はイノベーションと世界的な政策協調でしか現実的には解決できないでしょう。
ちなみに、ご指摘のオゾンホールについては、今世紀末までに消滅するとの見通しを最近NASAが発表しました。フロンやハロンに対する世界的な規制と代替物質の開発普及の成果です。
これは、まさにイノベーションと世界の政策協調による成果です。

また、中国の「資源爆食」について、あなたは「日本がこれだけ浪費的な生活をしている以上、中国にそれを認めないのは公正に反します」と言いますが、それはどうでしょうか。
日本のエネルギー消費効率は世界でもトップレベルですが、中国は資源消費の絶対量が巨大で増加スピードは桁違いに速く、エネルギー効率も最悪なのです(エネルギー効率は日本の技術支援により改善しつつありますが)。



1人当たりの一次エネルギー消費量も日本は世界平均の2倍以上ありますが、米国やカナダに比べれば半分程度です。


統計的事実を無視してイメージだけで議論してはいけません。

仮に、あなたの勧めに従って世界が「経済成長をやめよう」と合意できたとすれば、恐らく世界中に貧困や飢餓がますます広がり、略奪や暴動や内乱、テロ、戦争が激化し、環境問題で地球が破滅するより先に、人類が破滅を迎えるのではないでしょうか。
技術進歩は不可逆的なものであり、正常な経済活動さえあれば、黙っていても進歩していくものです。技術革新だけでも生産性は向上し、付加価値の総量であるGDPは緩やかに増えていきます。「経済成長に反対」という論理はそれをも否定することになり、自由な経済活動や技術的進歩を強制的に抑制し、経済社会を退化させろと言っているに等しい暴論です。それを実行することは、たとえどんな狂信的独裁者でもあり得ないでしょう。北朝鮮の独裁者でさえ核技術等の進歩に躍起になっているではありませんか。
経済成長は「悪」ではありません。問題にすべきはその中身です。目指すべき経済社会の姿こそ議論すべきなのです。理想の経済社会に近付くためにも経済成長は欠かせません。
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