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高橋洋一氏と国家戦略特区WGの呆れた規制緩和論(その2)

Posted by fukutyonzoku on 25.2017 政治・経済 0 comments 0 trackback

加計学園問題で論点の一つとなっているのが、獣医師の地域偏在や、産業獣医、公務員獣医が不足しているとされる問題だ。
これが問題でないとは思わないが、加計学園の獣医学部新設の是非を審議した国家戦略特区ワーキンググループ(WG)が、もし「獣医が不足していて増やすべきだ」と結論付けたとしても、農水省が所管する獣医師国家試験の合格者を増やすこととセットでなければ獣医は増えない。しかし、不思議なことに、そこが議論された形跡はない。WGで民間議員が「国家試験で需給調整しているのか」と質問し、農水省が「国家試験は一定水準の知識レベルに達しているかを見るもので、それをクリアしている受験者は全て合格させているので、需給調整はしていない」と回答。それ以上の議論は行われていない。

◾️獣医を増やせば産業獣医不足は解決する?

ペット獣医は余り気味だという。それなら、獣医の全体枠を増やすより公務員獣医等への誘導策を強化すれば解決する話ではないのか。
報道によれば、鳥インフルエンザ研究者である喜田宏教授も「獣医師の数だけ増やしても産業動物や伝染病対策に関わる人は増えない」と指摘。家畜を扱う獣医師の待遇を改善し、人材の偏りを解消するのが問題解決になるとしている。待遇を良くしさえよければ、四国に獣医師養成系の大学がなくても、他地域の同コースを履修して獣医師免許を取得した学生はいくらでもUターン、Iターン就職するはずだ。

◾️四国に獣医学部を設置すれば四国の獣医不足は解消する?

また、獣医師大学不在の四国に獣医学部を新設すれば、四国の獣医不足が解消されるとも限らない。私立獣医科大学協会によると、地方私大でも学力や経済的理由から入学者は大都市圏出身者が多いという。
例えば青森県にある私立の北里大学の1学年の定員は120人で、1.1倍まで認められる枠を使って実際に在学しているのは132人。このうち、青森県出身者は1~2人。青森県内に就職した学生もわずか3人で、うち公務員獣医師になった人は1人だけ。現在も青森県では公務員獣医の欠員状態が続いているという。加計学園の獣医学部が今治市に開学しても、そうなる可能性が高いだろう。
だとすれば、国家戦略特区諮問会議が決めた「獣医学教育の空白地域」という条件は一体何のためだったのか、と首を捻りたくなる。一時的な建設投資需要と学生、教員の消費や住宅投資、住民税、若者や学者が集まることによる有形無形の波及効果を狙っただけの過疎対策事業としか思えない。

◾️そもそもなぜ四国?

さらには、そもそもなぜ四国なのかという点についても疑問がある。四国の大学に獣医学部・学科がないのは確かだが、四国が他の地域に比べて特に獣医が目立って不足しているというわけでもないのだ。
朝日新聞の報道によれば、公務員獣医師の定員を定める20都道県のうち、12道県で定員割れしているというが、不足数は北海道で51人、岐阜県18人、鹿児島県10人、新潟県7人ーーなど。薬剤師や臨床検査技師が獣医師の仕事の一部を肩代わりしている県も複数あるという。
世界に通用するライフサイエンスの一大拠点を作るということなら、酪農畜産農家が最も多く、公務員獣医の不足数も最も多い北海道を優先すべきではないのか。北海道の獣医師養成系大学は国立大の北海道大(定員40人)、帯広畜産大(同)と私立の酪農学園大(同120人)と3大学にあり、合計定員は200人と全国最多の集積を誇る。それでも全国で最も不足しているのだから、新設したり定員を増やすのは北海道を優先すべきだろう。
また、四国にはかねてから地域の農業、畜産業に根ざした研究活動を行っている愛媛大学や香川大学の農学部がある。四国に獣医学部がないのが問題だというのなら、これらの地元国立大学の農学部に獣医学科の設置を認める方が合理的ではないか。両大学には医学部もあるため、学部間で連携して人獣共通感染症の対策も進めやすいはずだ。

◾️法外な加計の「定員160人」

さらには、加計学園が計画している定員160人という数についても疑問の声が多い。全国の既存16大学の獣医師養成系コースの中でも最大規模で、全国の総定員930人の17%強を占める。
毎日新聞によれば、ある獣医系大学教授は「定員160人というのは天文学的な数字ですよ」とコメントしている。既存の獣医学部の定員は最多でも120人で、国公立は30~40人。これまでも10人程度の定員増を求めてきたのに文科省(というより大学設置・大学法人審議会)に跳ね返されてきた大学関係者は多いといい、いきなり定員160人もの新設が認められたことに、獣医教育の関係者はみな衝撃を受けているという。
報道によれば、加計が定員を160人とした算出根拠は、全国の獣医師3万9000人の高齢化による引退を考慮、全体数を維持するためには既存の総定員930人では足りず、その差を埋めるための必要数だという。ライフサイエンスなどの新分野が考慮されているわけでもなければ、全体需要が減っていくとの見通しも無視されているのだ。
 それ以上に問題視されているのは、70人という教員数。教員は既存の大学でさえ足りておらず、まともな人材を集められるのか、と懸念されている。
 日本獣医師会によると、16の既存獣医系学部・学科の専任教員数は計約700人。文科省の認証機関「大学基準協会」が獣医系で定める専任教員数の基準である「68~77人以上が望ましい」を満たしているところは一つもなく、どこも教員確保に苦労しているという。大学認可の権限を持つ文科省が新設や定員増を長年認めてこなかった背景には、この教員不足があるというのに、加計の岡山理科大は、全国の専任教員の1割に当たる人数をそろえようとしているのだ。
教員不足の実情を踏まえれば、教員の奪い合いになる学部新設より、既存の学部・学科の定員増を認める方が合理的だろう。
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